安心の構成要素/水晶体に映る記憶
フェリーの個室からは、丸くかたどられた瀬戸内海が見える。
18時になっても水面の波を認識できるほど、夏はもうそこにいる。
ああ、あの記憶からもう4日も経つのか。
今、すでに山口にいるのだ。
体はもうクタクタなのに、頭では文章の書きたさを諦めてくれない。今の気持ちを忘れるのが怖い。眠たい目を擦り、スマホで顔面を照らされながら、今こうしてフリック入力をしている。
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