命のあるうちに知ってほしい
「わたしがいなくなったら、好きにしたらええやん。」
といわれるたび、腹立たしさに
煮えくりかえる思いがありました。
なぜなら、それは
親が去る日を心待ちにせよ、ということ。
その日までは、物にうもれる不快な暮らしを
サポートせよ、ということですから。
ずっと片づかない理由を
「収納が少ない家だから。」
「家族が多いから。」
「片づけるのが下手やから。」
と、あきらめてきた母に
スッキリと片づいた暮らしの良さを
命のあるうちに味あわせたい。
そんな、人の気も知らないで・・・。
こんな思いをしている人は
少なくないんじゃないでしょうか。
不景気になって久しいとはいえ
出せるお金の範囲で
あらゆる物が手に入るこの国で
大量の宣伝にさらされて
買い物をくりかえす親世代。
もっと前の時代なら
こんなに買えるモノがなかったそうです。
ですから、うもれるほど買うなんて
カンタンにはできなかったのです。
今はカンタンです。
そうして生活に抱え込んだ大量のモノを
どう扱えばいいのかわからない、
それが今どきの高齢者なのです。
責めても怒っても、しようがありません。
だから少しずつ、
ほんの一角ずつ、片づけるのです。
今日は、台所のテーブルを
90度うごかしました。
これで2人ならんでテレビを視られます。
周囲のモノも、それに合わせて移動。
ダイニングスペースが広くなった、
と母はよろこんでくれました。
モノの配置をかえると
気分転換にもなりますし
おもいがけず、便利になる場合もあります。
過剰なモノを見つけて処分できたり
たまったホコリをキレイにできたり。
そして小ぎれいに収められたら
家の一部がスッキリしたということ。
これをくり返していけば良いはず。
ですが、レイアウトの変化に混乱しないよう
慎重に進めなくては。