数式入力れんしゅう
インライン数式です。$${E = mc^2}$$のような形で行の途中の一部分を数式表示にすることができます。
インライン数式です。$${E = mc^2}$$のような形で行の途中の一部分を数式表示にすることができます
集合$${\Sigma}$$を右R-加群GのR作用の全体の環とする。
加群Gの恒等写像1=$${1_{G} }$$は、1∈$${\Sigma}$$。恒等写像1は環$${\Sigma}$$の単位元。
( 加群Gの加法準同型写像の全体End(G) の部分集合として $${\Sigma}$$)
--
このような加群Gを右からのR作用を強調して、$${G_R}$$ と表すばあいも。
_+ メモ: G\{\subsc{R}}
加群G=$${G_R}$$が、R作用で単純である(単純加群G)ときは、$${\Sigma}$$準同型全体Kは、斜体(skew field)で一般には乗法が非可換である。可換であるとは限らない。(乗法が可換なら、体論(体の拡大など)の「体」である。) 斜体Kの作用は、右作用。
体Fを、Kの逆同型な(非可換)体とする。
$${F=\{{\sigma}^{\circ} | {\sigma}{\isin}{\Sigma}\}}$$
_+ [ \isin 使用 Katex 記号]
このとき加群Gに、F作用がある。体Fの作用は左作用。$${{\sigma}^{\circ}g=g{\sigma}}$$($${{\sigma}∈{\Sigma}}$$、$${g∈G}$$)
$${{\sigma}∈{\Sigma}}$$、$${{\lambda}∈F }$$、$${g∈G}$$について
$${({\lambda}g) {\sigma}}$$=$${{\lambda}(g {\sigma})}$$、
または
$${({\lambda}g)^{\sigma}}$$=$${{\lambda}(g^{\sigma}) }$$
とする。
これは積の順番について。
$${{\sigma}∈{\Sigma}}$$、$${{\lambda}∈F }$$、$${g∈G}$$について
$${({\lambda}g) {\sigma}}$$=$${{\lambda}(g {\sigma})}$$、
または$${({\lambda}g)^{\sigma}}$$=$${{\lambda}(g^{\sigma}) }$$とする。これは積の順番について
ーー
加群G=$${G_{\Sigma}}$$の$${\Sigma}$$作用が、忠実かつ単純( $${\Sigma}$$-単純)であるとする。
可換群Gの元で(非可換)体Fに関して一次独立な$${u_1,u_2,・・・,u_n}$$をとる。このとき次の命題が成り立つ。
[命題]任意のGの元 $${s_1,・・・,s_n}$$を取れば、$${{\Sigma}}$$の元$${\sigma}$$があって、$${{u_i}^{\sigma} =s_i(i=1,・・・,n)}$$となる。
その証明
$${{u_i}^{\epsilon_i}={u_i}}$$, $${{u_j}^{\epsilon_i}=0 }$$, $${i {\not =} j}$$ なる$${{\epsilon_i}∈{\Sigma} (i=1,・・・,n)}$$ があればよい。
まず、このような$${{\epsilon_i}∈{\Sigma}}$$があるとして、命題がなりたつことを見る。
$${ i}$$∈$${\{1,・・・,n\}}$$を任意にとる。
$${ {\sigma}}$$($${∈{\Sigma} ) }$$を動かして得られる集合 $${ \{{u_i}^{\sigma} | {\sigma}∈{\Sigma} \}}$$はGの忠実性より、$${ {\not=}0 }$$ 。Gの単純性より、$${\{{u_i}^{\sigma} | {\sigma}∈{\Sigma} \}}$$=G。
これにより、
$${{u_i}^{w_i}={s_i}}$$なる $${{w_i}}$$∈$${{\Sigma} (i=1,・・・,n)}$$がある。
これらを用い、写像の合成と和で、求める$${{\sigma} }$$を
$${ {\sigma}={\sum_{i} {\epsilon}_i} {w_i} }$$
とすればよい。
注意: $${ {{\epsilon}_i}{w_i} }$$の作用は、$${{u_j}^{{\epsilon} w} }$$= $${ ({u_j}^{\epsilon})^w }$$ .
ーーーー
さて、このような$${{\epsilon_i}∈{\Sigma}}$$を求める。
主張1「$${{u_i}^{\epsilon_i}={u_i}}$$, $${{u_j}^{\epsilon_i}=0 }$$, $${i {\not =} j}$$ なる$${{\epsilon_i}∈{\Sigma} (i=1,・・・,n)}$$ がある」
主張1の証明
n=1のときは命題は明らか。n-1の時、成り立つとする。
即ち、$${{\Sigma}}$$の元$${\rho_i}$$があって、$${{u_i}^{\rho_i} ={\delta_{ij}} {u_i}(i=1,・・・,n-1,j=1,・・・,n-1)}$$ 。
一般のnについて証明を進めてもいいのだが、indexを簡単にするため今回は、n=3について証明を書き進める。帰納法の論法にのっとって、
$${{u_i}^{\rho_j} ={\delta_{ij}} {u_i}(i=1,2, j=1,2)}$$
を満たす$${{\Sigma}}$$の元$${ {\rho_i} (i=1,2)}$$が存在する。
集合 $${A_2}$$を定める。
$${A_2}$$ = $${ \{{\sigma}∈{\Sigma} | {u_i}^{\sigma}=0 (i=1,2) \}}$$
ここで、$${\Sigma}$$作用の記法を右乗法の形で $${ g^ {\sigma} =g {\sigma} }$$ とする。
_+ メモ:g^σ=gσ
集合 $${A_2}$$ は、$${\Sigma}$$の右ideal。
$${{u_3}{A_2}}$$は、G=$${G_{\Sigma}}$$の$${\Sigma}$$-加群である。
そこでGの単純性($${\Sigma}$$-単純)より
$${{u_3}{A_2} {\not =} 0 }$$
が成り立てば、G=$${{u_3}{A_2}}$$ である。
そこで、
「主張2」$${{u_3}{A_2} {\not =} 0}$$
の証明。
$${{u_3}{A_2} = 0}$$ と仮定し、矛盾を導く。
写像
_+ メモ: u_i*σ → u_3*{\rho_i}*σ :\mapsto
$${ {u_i}{\sigma}}$$ $${ {\mapsto} }$$ $${ {u_3}{\rho_i}{\sigma} }$$ ($${ {\sigma}}$$∈ $${{\Sigma},i=1,2 }$$ )
が定義できることを見る。
--- [ 休憩 ]
任意の i (i∈$${\{1,2\}}$$) を固定する。$${{\Sigma}}$$の元$${ {\sigma}}$$が$${ {u_i}{\sigma}=0}$$を満たすとする 。
$${ {u_k}{\rho_i}{\sigma}=0}$$は、任意のk (k∈$${\{1,2\}}$$)について成り立つ。ゆえに、$${ {\rho_i}{\sigma}}$$は集合$${A_2}$$の元である。
集合$${A_2}$$についての仮定 $${{u_3}{A_2} = 0}$$ より、$${ {u_3}{\rho_i}{\sigma} }$$=0。よって、先の写像は矛盾なく定義できる。(well-defned)
写像 $${ {\phi_{i}} }$$:G →G $${(i=1,2) }$$
$${ {\phi_{i}} }$$ : $${ {u_i}{\sigma} {\mapsto} {u_3}{\rho_i}{\sigma} }$$
_+ mapsto test $${ {u_i}{\sigma} {\mapsto} {u_3} }$$
_+ {\mapsto} を使うと、横棒が細い、見にくい。
なお、加群G=$${\{{u_i}^{\sigma} | {\sigma}∈{\Sigma} \}}$$ $${(i=1,2) }$$。
さらに、この写像$${ {\phi_{i}} }$$は$${{\Sigma}}$$-準同型写像である。
実際、
$${ {\sigma},{\tau} }$$∈$${{\Sigma} }$$ について
$${ ({u_i}{\sigma}){\tau}}$$=$${ {u_i}({\sigma}{\tau}) }$$
$${ {\mapsto} {u_3}{\rho_i}({\sigma}{\tau}) }$$ = $${ {u_3}(({\rho_i}{\sigma}){\tau}) }$$
= $${ ({u_3}{\rho_i}{\sigma}){\tau} }$$ $${(i=1,2) }$$
これ故に、写像$${ {\phi_{i}} }$$ $${(i=1,2) }$$は、$${{\Sigma}}$$-準同型。
写像$${ {\phi_{i}} }$$に対応する、体Fの元$${ {\lambda_{i}} }$$があって、
$${ {\lambda_{i}}{u_i}{\sigma}}$$ = $${ {u_3}{\rho_i}{\sigma} }$$ $${(i=1,2) }$$.
環 $${ {\Sigma}}$$ は恒等写像1=$${1_{G} }$$を含むので、
$${ {\sigma} }$$=1∈ $${ {\Sigma}}$$ を代入して
$${ {\lambda_{i}}{u_i} }$$ = $${ {u_3}{\rho_i} }$$ $${(i=1,2) }$$.
_+ メモ:秋月、鈴木「代数Ⅰ」(岩波全書)よりも簡易化、改良箇所。
_[ メモ 上式を基にして矛盾を導く (「主張2」の証明!!)]
$${ {\rho}}$$を
$${ {\rho}}$$ = $${ {\rho_1}}$$+ $${ {\rho_2}}$$
で定める。この$${ {\rho}}$$は、
$${ {u_i}{\rho}}$$ =$${ {u_i} }$$ $${(i=1,2) }$$.
を満たす。
任意の $${{\sigma} }$$について
$${ {u_2}( {\sigma} - {\rho}{\sigma} ) }$$
は展開して
上式 = $${ {u_2} {\sigma} - {u_2} {\rho}{\sigma} }$$ =0
同様に、$${ {u_1}( {\sigma} - {\rho}{\sigma} ) }$$= 0
ゆえに、左辺の部分項$${ {\sigma} - {\rho}{\sigma} }$$は集合$${A_2}$$の要素で、
$${{\sigma} - {\rho}{\sigma}}$$ ∈ $${A_2}$$ .
仮定 $${{u_3}{A_2} = 0}$$ を用いて、
$${ {u_3}( {\sigma} - {\rho} {\sigma} )}$$ =0 .
_+ [ check ponit 2 ]
変形して $${ ({u_3} - {u_3} {\rho} ) {\sigma}}$$ =0 .
任意の$${{\sigma}}$$ ∈$${{\Sigma}}$$について、 $${({u_3} - {u_3} {\rho} ) {\sigma} }$$ = 0
なので、忠実性より、$${{u_3}= {u_3} {\rho} }$$ .
右辺は
$${ {u_3} {\rho} }$$
= $${ {u_3}({\rho_1}+ {\rho_2})}$$
= $${ {\lambda_{1}}{u_1} +{\lambda_{2}}{u_2} }$$
と等しい。
結局、
$${ {u_3}= {\lambda_{1}}{u_1} +{\lambda_{2}}{u_2} }$$
で、仮定の線型独立に矛盾する。
即ち、「主張2」が示された。
G=$${{u_3}{A_2}}$$ より、$${{u_3}^{\epsilon_3}(={u_3}{\epsilon_3}) ={u_3}}$$ (∈G)をみたす、$${ { \epsilon_3} }$$ ∈$${{A_2} }$$ $${( {\subset} {\Sigma}}$$)がある。
$${ {u_1}}$$と$${ {\epsilon_3}}$$ について
$${ {u_1}^{\epsilon_3}}$$=$${ {u_1}{\epsilon_3}}$$ =0.
実際、$${ { \epsilon_3} }$$ は集合$${{A_2} }$$の要素なので。
同様に
$${ {u_2}^{\epsilon_3}}$$=$${ {u_2}{\epsilon_3}}$$ =0.
_+ [ check ponit 3 ]
$${ {\epsilon_1},{\epsilon_2} }$$を次のようにして定める。
$${ {\epsilon_i} }$$ = $${ {\rho_i} - {\epsilon_3}{\rho_i} }$$ $${(i=1,2) }$$.
これら$${ {\epsilon_1},{\epsilon_2} }$$は、次式をみたす。
$${ {u_i}{\epsilon_i} }$$ = $${ {u_i}}$$ (i∈$${\{1,2\}}$$)
$${ {u_i}{\epsilon_j} }$$ = 0 .( $${ i {\not =} j}$$, $${i}$$∈$${\{1,2,3\}}$$,$${j}$$∈$${\{1,2\}}$$) .
実際、例えば、$${ {u_3}}$$を含む式については
$${ {u_3}{\epsilon_1} }$$
= $${ {u_3}( {\rho_1} - {\epsilon_3}{\rho_1} )}$$
= $${ {u_3}{\rho_1} }$$ ー$${{u_3}{\epsilon_3}{\rho_1} }$$
_+ 負号 ”-” について $$で囲まない方が見ばえがイイ
= $${ {u_3}{\rho_1} - {u_3}{\rho_1} }$$ ( 理由:$${{u_3}{\epsilon_3} ={u_3}}$$ )
=0
以上より、目的とする$${ \{{\epsilon_1},{\epsilon_2},{\epsilon_3} \} }$$ $${( {\subset} {\Sigma}) }$$が得られた。
「主張1」が示された。
証明了。
--- [ 休憩 ]
ーーー テスト $${{u_i}^{{\epsilon}_i}={u_i} \}}$$ _テスト
$${ \sum_{} x_{ij} }$$
$${ \prod_{} y_{ij} }$$
加群Gが、単純加群Gだけではなく、半単純加群Gに拡張した場合の定理には、
Chevalleyの定理とか、Chevalley-Jacobsonの定理とか、density Theoremとか
日本語では稠密定理とか
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#秋月、鈴木「代数Ⅰ」(岩波全書)