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北海道縦断歩き旅 15日目 「決心と再準備」余市町~

この日は一区切りの目標であった小樽までと決め。歩く距離も短く設定した。足の疲れもピークになっていて小樽で休もうと思っていた。

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余市町からの道は歩道もあり、歩きやすかった。

歩道が続く道ですこし本を読んだりもした。

日本縦断された人の本を読み、その中に荷物の重さが7キロと書かれていた。

テント付きだが、自炊はしていないようなので、その分は軽くできるのかもしれないと思った。

忍路トンネル 全長1742M

笠岩トンネル

塩谷隊道

小樽に近づけばトンネルも減ってなだらかになると思っていたが、まだまだトンネルは多く続いていた。

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一つの区切りと考えていた小樽が近づく。

諦めるなら小樽。続けるなら宗谷岬まで。

そう思っていた。


生活の事を考えてると早く帰ったほうがいい。

色々考えながら歩いていた。


最後に納品した仕事の支払いの手続きの連絡が3日遅れていた。

何度か遅れたことがあるので、連絡して確認する。

責任を回避するような返答もいつも通り受け、連絡が終わった後ため息がでる。

「示し」だとか、よく言う人間だったから、最後ぐらいキチンとした示しを見せてほしかった。


支払いのやり取りで、辞めていった人たちの訴えもうまく煙に巻いて、5年変わらなかった上司がこれからも変わる筈もないだろう・・・。


そんな事を思うと帰りたくなかった。


自分が身を削って作ったプロジェクトが、今後あの人たちに勝手にされる事は身が裂けるような苦痛だ。

しかし、プロジェクトは会社の所有物・・・。

自分には、もうどうすることもできない。


あれだけ蔑ろに軽んじてきた人たちの養分に消費されていくのを許すことはできない。

だけど、彼らを呪っても仕方ない。








忘れる事・・・・。

あの身を削った4年と、愛したプロジェクトの欠片たちを。

プロジェクトがこれからレイプされるのをみたら正気では居られない。



まだ、忘れられない。

まだ、許すことができない。




小樽で帰らずに、宗谷岬まで行く。


決心がついた。

15時に小樽のドミーインに着き。チェックインする。

すぐに洗濯をして、お風呂に入る。

露天はほとんど仕切られていて外が見えず薄暗いが、内装は綺麗で心地よかった。

洗濯した服を干し、外出。


再準備の為、買い物をしに電車で札幌へ向かった。

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仕事で毎日のように乗っていた電車だが、歩き旅をして久しぶりに乗る電車は不思議な感覚があった。


自分が止まっているのに、どんどん景色が進む。

自分が歩いていないのに、どんどん進む。


景色をみて、道を見てあそこまで進みたい、と思ったら。

止まっていても進まない、休んでいても進まない。

何度も止まる事、休む事を否定して景色を変えてきた事が、

止まって、くつろいで景色が変わり進んでいく。


不思議な感覚だった。

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札幌について、食事を探す。

探すのが下手で、とりあえずラーメンを食べる。

久しぶりに都市を歩いたが、札幌は渋谷と違って綺麗で、

道行く人も渋谷に比べて男女ともに綺麗に感じた。


同じような韓流アイドルみたいな格好が多いが、まとまりがあって落ち着く。

コロナの影響か分からないが若い人が多く。

視界に高齢者が映らない駅前を久々に見た気がする。


登山ショップに行き。

再準備のための装備を買う。

・クッション性を高めるソール

・小さくて蒸れないリュック

・軽くて蒸れにくい服

・厚手の靴下

・水を入れる袋

などを新しく購入した。


小樽のホテルに電車で帰る。

雨が降り出し、駅からホテルまで小走り。

ドミーインで食べてみたかった夜鳴きそばを食べる。

美味い!


付き添ってくれた古い装備を捨て、

再準備を整えて、この日は眠る。


15日目終了 歩いた距離 18km

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