北海道縦断歩き旅 8日目 「冷遇と厚遇」熊石~
8日目の朝を迎えた。
一週間前、函館を出発した時を思い出す。
いろんなことがあった。これからどんな旅になるのだろう。
そんなことをよく考えていた一日だった。
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早朝から雨が降っていた。
風と雨音であまりよく眠れなかった。
この日は雨が続きそうで、キャリーバッグを背負ってタイヤの負担を減らすように試みる。
セイコーマートで朝食をとってから出発。
と行きたかったが、6時の開店まで、風がある中待てず。先を急ぐ事に。
しかし開店を待てばよかったと思うほど、この先ご飯が食べられなかった。
それに、公園はどこもゴミが捨てられないようになっていて、昨日一日分のゴミを雨の中で抱えているのがキツかった。
荷物を背負って進むのは1時間と持たず、キャリーバッグとして引きずるのに戻す。
背負えるようになっているキャリーバッグだが、背負う機能は登山リュックのようになっておらず。20キロ背負うには不安定で苦しかった。
引きづると背負うのに比べて、とても楽で、キャリーバッグで来て良かったと思った。
奇岩群の横を通る。色々、名前がついているようだった。
親子熊石
物語を読むが、いまいち神の行動が腑に落ちない。
救って → もう一度同じ状況にして石化。
(救って生きながらえて抱き合った状態ではなく、ピンチの状況にもどして不自由にした)
ということだろうか?
お金に困った芸人を追い込み、水に落ちたところがうまくカメラに収まらないから、もう一度水に落として映像を撮る。
番組ディレクターのような、エピソードに感じてしまった。
上司の変な計画のせいでスタッフが苦労しているのに、最後にちょっと手伝いに来て、いい上司感を演出する人を思い出す。原因はその人なのに、皆の為にと平然と酔ったこと言ってくる。
結局、下は何人も厳しい目に捨てられ、上は裁きを受けないまま同じ椅子にいる。
一週間旅をしても、まだ仕事が忘れられず、あの人たちを許せずにいた。
空腹と雨の中歩き、早い時間から疲れていた。あまり眠れなかったのもあるかもしれない。
空腹と喉の渇き、疲労で温泉によりたくなる。
しかし、通りから離れたところにあり。営業しているか分からなかったので先を急ぐ。
道の駅に着き、ようやくお店についた。
トイレを済ませて、お店に入る。
狭い店内に入ると、すぐに「何処から来たか」店員に聞かれた。
「さっき車で歩いてるの見た。どこ泊まってんの?」
間を詰めて、次の質問がきて応える。
こちらが話してる途中で、電話を取って電話の向こうと話し始めた。
なんか、嫌な気持ちになり2歩入った店内から出る。
ご時世と野宿してる不衛生さからお店に入って欲しく無いのかもしれない、すぐにそう思って出入り口から離れた。
雨が降っていたので、お店の出入り口から離れた椅子を借りて少し休憩してると、
店員の電話で話している声が大きくなり。
「全面、キャンプ、車中泊禁止なんですからねー!」
と断片的だが聞こえてきた。なんか、当てつけて言われた感じがして。
早くこの道の駅から消える事にした。
食事はとれなかったが外に自販機があったので、コーラを飲んでしのぐ。
この日は月曜、gotoトラベルキャンペーンが始まって最初の土日が過ぎ、北海道に感染者が出てしまっていた。一週間前とは北海道の状況がだいぶ変わっていたみたいだが。旅館でもあまりニュースを見れていなかったので意識してなかった。テレビではずっとコロナの話をしてるし店員がピリピリしても仕方ないのかもしれない。
道の駅には一度もキャンプしなかったが、当初は道の駅に交渉してテント張る旅を予定していた。
だがこれ以降、完全に道の駅で泊まる選択肢はなくなった。
ゴミも捨てられないし、道の駅だのみだったオロロンラインは厳しいように感じ小樽でリタイヤも考えたりした。
そこからしばらく歩いた所にコンビニが見つかる。
さっきの一軒もあって恐る恐る入り、朝食を買う。
「ゴミ箱がないんですが、ごみを捨てさせて頂けますか?」
と聞くと、ご厚意で引き受けてくれた。(お店としては禁止なので真似しないように)
2日分のゴミがあったので、これは本当に助かった。
気さくに「歩いて旅してるんですか?」と聞かれたので、
この先もゴミ箱がないか聞いた。
聞くと地域の方針らしく、その為 同じコンビニチェーンでもある所ない所があるらしい。
そんな、会話をしていると運送のおじさんが話しかけてきて話を聞く。
せっかくなのでこのおじさんにも色々質問する。
「トラックから歩行者は邪魔か?」
そもそも自転車が多いし、だいたいトラックの運転手はその辺わかって走ってる。と答えを貰う。
「この先に長いトンネルがあるが歩道はあるか?」
ドライバーは歩道を意識しないけど、比較的新しいトンネルだからあると思う。
と教えてもらった。
あとはおじさんの関東までドライブ旅行した話を聞く。
話の終わりに「頑張ってね」とカフェオレを貰った。
ありがとう。
歩いているとパトカーが前を通り、前で停車した。
この旅、2度目の職質に合う。
キャリーバッグを引きずっているので家での可能性を感じ声をかけたそうだ。
地元の人に奇妙な旅人として心配かけたくなかったので、名前と電話番号を伝えて、松前同様、通報があっても認知してもらうようにする。
松前と違い少しベテランの警察官ぽかったので、
もう一度、歩いて宗谷岬まで道路を使って行っていいか?
公園で野宿していいか確認する。
松前同様、推奨はしないが問題ない。との事。
それに北海道歩いて横断している人に以前あった事があるとも話していた。
この先の公園と行き方を教えてもらう。
とにかく毎日、熊の報告があるから、熊に注意するように重ねて警告され去っていった。
すこし迷ったが公園を見つける。
想像以上に小さい公園で民家も近いため、公園の端の岩陰に隠れるようにテントを張る。
蜂と大きなクモの巣があったが、場違いなテントを堂々広げる度胸は無かった。
ありがたいことにトイレがあり、しかも綺麗だった。
ペペロンチーノと缶詰を食べる。
オロロンラインは補給が少ないと思って缶詰や非常食を持っていた。
札幌に着くまではコンビニも多く、缶詰とカロリーメイトはどこでも売っているので、1日分以上の食料は明らかに無駄な荷物だった。
ペペロンチーノ用のオリーブオイルや塩コショウも中身を半分にして詰め替えてくれば良かった。結構かさばる。
パスタは米に比べて楽だと思ったが、水がない所だと、ゆで汁を捨てるのが勿体ない。無洗米のほうが効率がいいかもしれない。
荷物を減らすため、もう一食、棒ラーメンを食べる。
久しぶりに食べるラーメンは美味しかった。
この先の長いトンネル越えに合わせて早めに歩くのを切り上げてキャンプした。
明日は2キロ近いトンネルが待っている。未知の長いトンネルに思いをはせながら就寝。
8日目終了 歩いた距離 約22km
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