日本縦断歩き旅《鹿児島編》3日目『暑さと峠』薩摩川内~いちき串木野
5時起き。
蚊がテントの中に入ってしまってうざかった。
アリも結構いる。
やはり夏は虫が多い。
テントの外に出ても、顔の周りに小虫が飛び散らかす。
これもうざい。
虫に纏わりつかれるといつも、
ダンテの神曲で地獄にも天国にも行けなかった者たちが虫に刺されて、
生前ああすればと嘆いている様を思い出す。
俺は結局たいした善行も悪行もしてない、
コロナ過であそこから地獄に落ちて、今、骨折からも這い上がろうとしている。
キリスト教徒ではないが、煉獄を延々と登っている気分でいた。
原発の看板があり、原発周辺地区特有の静けさがただよってきた。
民家の少なさと異様に綺麗で人をみかけない公共施設。
キレイでのんびりしたいがパトロールもいるので、なんだか落ち着かない。
異様に低速でパトロールの車が後ろを走ると疑われている気持ちになるので、さっさと原発から離れる。
朝から山道を休憩なしで歩いていたから、
喉が渇いて休憩。
ツバメも休憩していた。
そこからさらに山道へ。
坂道でカートが重く、汗で持ち手がベトつき気持ち悪い。
快晴ではないものの暑さで頭がボーとして進む事しか頭になかった。
この旅で骨折のゴタゴタを歩きながら整理するつもりだったが、
東北の旅と違い頭が冴えなかった。
思索こそ歩き旅の本懐でもあるので、
夏の歩き旅はおすすめできない。
展望スペースがあり休憩。
歩道が少なかったので、ここに着いた時にようやく水筒が飲めた。
綺麗な夕日を眺めるための公園らしい。
あの島は猿が多い無人島らしい。
下山したら、いい感じのチャンポン屋さんを見つけて入る。
お昼時で混んでいた。
となりのお兄さんが親切で梅干しをとってくれたりした。
具だくさんのちゃんぽん。
管理栄養士が栄養管理された健康志向のちゃんぽんなのだが、
峠を汗だくで歩いて超えた後だったので薄味すぎた。
串木野市街にはいると大きな天井が、
商店街を通るとちらほらお祭りの準備をみかけた。
スーパーに入り買い物。
買った荷物を整理していると、イヤホンを溝に落としてしまう。
なんとか取り出したが、時間を食ってしまう。
汗だくであるいていると、婦人が追いかけてきてくれて、コーヒーを貰う。
この旅初めての差し入れで嬉しかったが、全身汗びっしょりでみっともなくて申し訳なかった。
この先でも汗びっしょりの時に差し入れを貰う機会があったが、
もしかしたら”応援”というより”心配”で飲み物をくれていたのかもしれない。
本当はもう少し先まで歩く予定だったが、先に野宿できそうなところがあるかわからないんので、芝生があるところの隅に野宿させてもらう。
わりと見晴らしがいいので、暗くなるまでテントを張らず、ベンチでお酒を飲んでいた。
この日歩いた距離 34 km