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北海道縦断歩き旅 13日目 「13時間歩き通し」岩内町~

この日は、この旅で一番歩いた長い一日だった。

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ビジネスホテルで起き。

この日はラジオ体操をした。この日の行程は12時間を超えそうだった為、気合が入っていた。

おそらく日数的に、一番厳しい積丹半島を二日で越えられれば、宗谷岬までたどり着けると思っていた。

岩内町の道は、歩道も広くとても綺麗で歩きやすかった。

昨晩、入念に足の裏をマッサージしたせいか、朝は足の痛みも薄かった。

ラジオ体操のおかげか体もだいぶ軽く感じられ午後の為にペースを上げていた。

この時、日没と足の裏が心配で、両方ともギリギリアウトになると思っていたので朝のうちにギリギリにならない余裕が持ちたかった。



泊原発に近づくにつれて原発関連の施設が増え始める。

「泊原発いりません。未来の子供達に」

という看板をみた。

原発は、裏手のトンネルを通った為、見ることができなかった。

その裏手の道で、崖の工事をしていた。

ロープでぶら下がり、崖にモルタルを吹き付けていた。


泊村の中学校まえを通る。

原発のおかげなのだろうか、ものすごく綺麗でしっかりした校舎だった。


泊村から離れると道路も元に戻り荒れてきた。

兜トンネル

歩道が広くて快適なトンネル。

しかしこういうトンネルはだいたい短い。


茂岩トンネル 全長1142M

1キロ級でこの歩道はかなりレア。

涼しく快適なトンネルだった。

コンビニや自販機はないが道がしっかりした道であるため、気持ちに余裕がでて積丹半島の自然が楽しめた。

山道に入ると歩道が無くなっていく。

毎日、汗をかき。

汗の質がだんだんドロッとした物から水っぽく流れ落ちやすくなってきた。

その為。眉毛に引っかかっていた汗が、眉毛にせき止められずそのまま目に入って、何度も汗を拭いた。

腕をつたう汗も、キャリーバッグを握る指にまで流れ落ち、なんども拭いながら坂を上る。

かぶっていた麦わら帽子も臭くなって気持ちが悪かった。


神恵内村にはいると、わりと多くのバイカーや旅行客を見かけた。

それをみて土曜日で休日な事を思い出す。

ちょうど昼時もあってか、食堂やラーメン屋に行列ができていた。

先を急ぐため、食事をせず突き進む。

移動式野菜販売のワゴンがゆっくりと走っていて、すこし並走する。

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この旅で初めてキツネをみた。

始めは警戒していたが、先に進むとトテトテとゆっくり追いかけてきた。

痩せていた為エサが欲しいのだろう。



大森トンネル 全長2509M

長い、残念ながら歩道は狭い。

中は山の水が染み、濡れていて快適だった。

だんだんとトンネルが好きになっている事に気が付き始める。


だが、休日の為、交通量が多いのが嫌だった。

積丹半島は最難関だと思っていたが、通る2日間がまさか土日になるとはタイミングが悪かった。

トンネル前の道の駅でソフトクリームを食べる。


大型バイクがたくさん止まってて眺める。

本当なら、自慢の車やバイクを持っていても、

おかしくない筈の自分が徒歩で旅をしている。


携わったプロジェクトは成功していたが、

社員の豪遊を眺めるばかりで、下請けの俺は貯金もなにも残らなかった・・・。

就業時間中、旅行の話ばかりしていた社員がこの中にいるかもしれないと思うと嫌だった。

なんだか、みじめになって、あまり休まず先を急ぐ。

キナウシトンネル 全長1008M

マッカトンネル

川白トンネル 全長 2106M

この辺になってくると、トンネルが見えると、

今回のトンネルガチャはどうかな。

とか思いながらトンネルを楽しんでいた。

窓岩トンネル

珍しく歩道と手すりがあるが、こういうのは短い。

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窓岩が見え、景色がいい。

ゲームならあそこに建物があって欲しいが、住むのは無理なんだろうな。

西の河原トンネル 全長1834M

ディズニーランドみたいなところだが、近づくと左官でできたものとはやはり違う。

だんだんとトンネルに疲れはじめてきた。

静寂の中で、車の音が拡張されて響くので音に滅入ってしまう。

このころから交通量が多いときはノイズキャンセリングイヤホンで耳をふさぐようになる。

大天狗トンネル 全長639M

次々とトンネルをくぐり、フラッシュライトを付けたり消したりするのが、めんどうくさくなる。

トンネルとトンネルの間はスマホの電波が届かないところが多かった。

積丹トンネル

独特な山が広がる。

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日が傾きはじめ綺麗だが目的地は遠く、焦り始めていた。

雄大な自然が広がるが、ここで野宿は厳しそう。

水は節約して残していたが、コーラが飲みたかった。

神岬トンネル 全長1162M

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この旅であまり、海に沈む夕日を見ていないと思い、写真をとる。

結局、日没は神威岬が太陽を覆って、海に沈む夕日を撮影できなかった。

神威岬の近くを通る。

とうとう日が沈み、足が限界に来ていたので、その辺にテントを張って夜を過ごそうかと思ったが、キャンプ場で泊まったほうが良いだろうと思い、辛抱強く前に進む。

あとから思えば、海岸付近にトイレも多く、キャンプ場に絞らずに野宿すれば良かったと思う。

それほど、足に限界が来ていてこの先は長かった。

武威トンネル 全長700M

このトンネルをくぐる前に日が沈みきって、夜になる。

足が限界を越していて民宿に駆け込むが満室であった為、先を急ぐ。

暗闇の中で、目的地のキャンプ場が光っていて。

「あそこまで行けば休める」

「あそこまで行けば休める」

「あそこまで行けば休める」

「あそこまで行けば休める」

と、睨むようにキャンプ場の明かり見ていた。


しかし、花火がちらほら揚がっていて嫌な予感がした。

近づくにつれて、テントの明かりがびっしりと敷き詰められ混んでる事がわかってきた。

いまさら、引き返す気力は無かった。

キャンプ場は大混雑だった。

階段を一段降りるのもやっとなほどだったが、見渡しても空いてるスペースは無かった。

あまり、みて歩く事も出来なかったので、一人用の小さいテントを張っている人の近くにテントを張らせてもらった。

休暇を楽しむ人たちの中で、浮いていて居心地が悪く、道中の草むらで野宿したほうがマシだったと思った。

テントを張った後は食事も作らず、すぐにテントの中で横になった。

テントの中に入るとホッとしたが、花火の音はうるさく。

近くを歩く人がライトを持ってテントを照らすと、テント全体が明るくなるため落ち着かなかった。


足はしびれたような感覚が消えず、ピンと伸ばすことが出来ない状態。

ずっと熱くて寝付けず、寝返りを打つと足が痛む。


レジャー客でにぎわうキャンプ場で、一人で苦悶した夜を過ごす。


■13日目終了 歩いた距離 56km

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