北海道縦断歩き旅 14日目 「疲れのピーク」積丹~
目が覚めて、足と相談しながら歩く。
だいたい朝には足の痛みが治まるが、この日は朝になっても痛いままだった。水を飲みに水道へ向かうが、痛い。
朝からこの調子では厳しい、入念に足をほぐし直す。
混んでいるキャンプ場は落ち着かず、食事やお茶をせず、出発。
車は早朝は少なく快適。
積丹の浜はいくつもキャンプ場があり、混んでいた。
キャンプ場から道にはみ出してBBQをやっている中高年の集団に声をかけられる。
ご飯一緒に食べないか誘われるが、朝のうち進みたかったので断る。
ワインを渡されて、頂いて飲む。冷えていておいしかった。
それとペットボトルの水を頂く。
「もっと、北海道縦断をアピールしてTVに出てよ」
「もっと派手な格好しなよ」
とアドバイスをもらう。
この日は黒いTシャツを着ていたので、確かに地味でかっこ悪かったのかもしれない。
エゴな旅人になりたくないと思っていたので、見た目をもう少し意識して、現地で見かける人にとってナイスな存在であるように、もうすこし心がけようと思う。
岬へ行きたい気持ちはあったが、遠いので先を急ぐ。
ワインが効いて足の痛みに鈍感になり、上機嫌に歌いながら歩いたのを覚えている。
岬から離れると、途端に民家が消える。
水はキャンプ場で補充したが、朝食を食べていなかった為。糖分が欲しくなる。
歩道が無くなる山道になってくる。
この日は日曜日、8時過ぎてから交通量が増す。
前日の朝から、まともな食事をしていない為、糖分が欲しくてたまらなくなる。
塩飴を買っていたが、あまり舐めない為、カバンの奥にあり。
それを取り出すには、立ち止まって休めるところも無かった。
山道は視界が閉ざされ、車も定期的に通るので余裕もない。
道の端を見つめ続けて歩くが、この辺はゴミが一番多かった。
どんなタイミングで捨てたのか、落ちたのか知らないが多かった。
美しい自然を目的に来たであろう観光客が、土地を汚していく。
観光旅行は”消費”なんだろう。
俺も”癒し”の名のもとに北海道を”消費”しに来たのだろうか?
カーブも多くなり、車に神経を使うので疲れてくる。
晴れていて汗が止まらないが、自動販売機はもちろんない。
前日の疲れが後を引いているのか、廃墟の近くで、倒れるように座り込む。
足が痛くて、横になりたかったが虫がいて、落ち着けない。
だいぶ岬から離れて3時間くらい歩いた所にレストランがあり、助けられる。
美味しいアイスクリームとアイスコーヒーを頂く。
店員さんに、少し話して応援してもらう。
お店から街までは地図で見ると近かく感じたが、
長い下り坂はカーブが多く、きつかった。
街が見えるとほっとしたが、歩道のない下り坂は気が抜けなく、気力が擦り切れてきていた。
街についたらコンビニでおにぎりを食べて休憩。
さっぱりとした観光客の中で浮いていた。
再び海岸沿いをあるく、やはり山道よりも開けた景色のほうがいい。
一度、休んだせいか、山道から解放されて気が緩んだのか、ペースが落ちてなかなか進まなかった。
ここは道が狭かった。
日曜日の午後の為か、小樽に向かう車線が軽く渋滞するほど、交通量が多かった。
厚苫トンネル。
沖歌トンネル 全長2050M
歩道が広くて快適だが、バイクが多くてうるさくて耳栓をして通る。
チャラいバイクや車が多く、うるさくて早く離れたかった。
豊浜トンネル 全長2228M
当時、崩落事故があったことも知らず、突き進む。
自分の過去の事を色々、思い出していた。
滝の間トンネル 全長1320M
ワッカケトンネル 全長910M
また山道になる。
長ーーーーーーい坂が続く。
坂を上る前に、他のプジェクトの最後のリリースがあり、アプリを付けて見る。
自分のプジェクトとはちがい大きいプジェクトだったので、盛大にフィナーレを飾った。
みじめな対比がある栄光は、眩しい。
誰の見送りもなく終わった自分がみじめでたまらず、
坂の辛さで気を紛らわせるしかなかった。
危なかった、
家にいなくて良かった。
心底そう思った。
トンネルをくぐると、長くて急な下り坂。
大きなプロジェクトが優先され、約束がないがしろにされてきた長い屈辱と不平不満が沸き起こる。
しかし、どうになるわけでもない。ただ俺が忘れるだけで終わる事。
余市町についてビジネスホテルで部屋を取る。
おなかが減っていたが、足の痛くて、コンビニ寄るよりもホテルに早く着くことを優先させた。
かつてない足の痛みですぐにベッドに横になって休む。
夜まで休んで、足の痛みにこらえながらコンビニにでかけ。
2日ぶりにまともなご飯をまとめて食べる。
胃が小さくなっていて、のどに通らなくなるがお茶で流し込んで無理やりにでも食べた。
14日目終了 歩いた距離 45km
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