【近況報告】『ミチのムコウ』@丹波篠山
大変ご無沙汰しております。
最近出会った方も増えてきたので、あらためての自己紹介と近況報告を兼ねて、最近の活動と関心事をまとめました。
今、何をしているのか?
兵庫県の丹波篠山という地域で、農業と、農を通じた体験・学びの場の企画、運営をしています。
【丹波篠山 吉良農園】
・週5日
・生産~収穫~出荷、農作業全般
・備品管理~事務~会計、バックオフィス全般
【ミチのムコウ】
・企画~広報~運営
・お米づくりからお酒まで会員さんと一緒に「100人ではぐくむ名前はまだ無い日本酒」
自分で農地を所有したり、借りたりしているわけではないので、「農家になった」と言うと語弊があるが、日々畑に出て、クワ作業からトラクターまで、農家のような日常である。(興味本位でとったマニュアルの運転免許が、まさか軽トラの運転に活きるとは思わなかった。笑)
吉良農園についての詳細は、HPを覗いたり、今後の情報発信にご期待いただきたいが、私からみた最大の特徴は、目の前の野菜づくりだけでなく、地域全体、社会、世界を視野に、長期的な視点で農業を営んでいる点である。そんな農園で働く中で、2つのことが見えてきた。
何を想って活動している?
1. ローカルの重要性
日本中、はたまた世界中どこへ行っても似たような景色、食べ物、服装、デバイス…と画一化されていく中、ローカルこそ多様であり、おもしろい。海外を旅し、様々な人たちと交流する中で漠然と思っていたことが、丹波篠山というローカルに根を下ろし、脈々と受け継がれている知恵や環境、文化に触れたことで確信へと変わった。と同時に、それが存続の危機に瀕していることも目の当たりにした。
2. より良い未来、平和への兆し
より良い社会にしたい、戦争のない平和な世の中にしたい、と願いつつも、何をどうすればそれに貢献できるのか分からない現代。まずは、自分の人生に満足=幸福感をもつことが他者への優しさ、平和につながると、自分軸で選択し、輝ける働き方・生き方に興味を持った。そして、丹波篠山でそうした人たちとたくさん出会い、自らもそれを実践したい(ここならできそう!)と、この地で社会人生活をスタートした。そして、ある程度達成されたり、時にはオーバーフローしたりしながら、走り続ける中で、もう一つの軸「未来のためになる」という点が重なり始めたのが、今の活動なのである。今目の前の価値交換だけでなく、長期的な視点で未来のために行動する、ということが当たり前に行われてきた里山(木が育つには60年かかるので必然とも言える)。自然という共通の脅威、恵み、畏怖の対象を前に、地域の中でルールを作り、文化や宗教を形成しながら暮らしを存続させてきた集落。これらは、限られた資源の中でいかに持続的な社会を創っていくかという現代の世界課題とも通じている。つまり、ここでの取組みは、より良い未来、そして平和につながるヒントになるかもしれないと感じているのである。
これからやりたいこと
こうして、私は「ここでの取組みを続けていきたい」、そして、「こうしたローカルでの営みを続くものにしていきたい」、と考えている。そのためには、関わる人を増やし、この輪を広げていく必要があると感じているけれど、それはみんなにこれをやってほしい、ということではない。社会には役割分担があり、多くのみなさまが担ってくれている都市の仕事があるからこそ農村部の生活も成り立っている。その逆もしかりである。農業というと食料生産の側面のみが取り上げられ、集約化・DXによる効率化や工場での生産などが話題になりやすいが、その他にもたくさんの役割を農村部が担っている(このあたりはまだまだ勉強中ですが、キーワードとしては多面的機能、生物多様性、外部不経済、など。興味のある方は一緒に勉強・議論しましょう!)。
そんな持ちつ持たれつの関係の中で、それぞれの得意分野を持ち寄り、互いに共有・交換しながら、一人ひとりが輝けるような社会、地域、コミュニティ、をつくりたい。人数が減っているからこそ、そこは“効率的”に、本当に必要なこと、大切なことに注力していく必要があるよな、なんてことも漠然と思っています。
だんだんふわっとした話になってきましたが、以上、近況報告でした。
そして、ここまでとっても真面目に書きましたが、頭使って、体使って、あー疲れたー!って言ってお酒飲んで寝る。それが楽しい。里山とか生きものとか、まだまだ人類が分かっていないこともいっぱいあって、毎日新しい発見をしながら少しずつ構造をつかんでいく。それがおもしろい。だから続いています。
本音
見えてきた、と言っても、なかなかこれを人に伝えたり、共感を得たり意見をぶつけ合わせたりする機会は限られているし、プロジェクトや事業が順風満帆なわけではない。日々は獣害に心が折れそうになったり、あまりに気の長い活動ゆえの進歩の見えなさ、出口の見えなさに投げ出したくなったりしてばかりだ。長期的な視点で、と言っても本当にどうか分からないし、今応援されなければ続けていくことができないのも事実である。自己満足だと言われるかもしれない。
みなさまへのお声がけ
そんな中、一人でも多くの方に知ってほしい、関わってほしい。知ることで、関わることで、その人自身の暮らし、心も豊かになってほしい、そう心から願っています。
現時点でのミチのムコウへの関わり方としては、①体験に参加する、②プロダクトを購入する、の2つ。今後はもう少し増えていく予定なのと、実は「働く」という方法も可能性があったりします(詳細は相談ベースです)。
まずは今、想いのこもった発泡性の日本酒「ミチのムコウ」を1本でも予約してもらえると大変嬉しいです!背景、ストーリー抜きにして、お酒としてとっても美味しい(シュワシュワでキリっとしたお酒)。私も毎年飲むのが楽しみです!
最後に。
本当に日々、家族との時間を過ごしたり、休日を楽しんだり、働いたり、休んだり、挑戦したり、毎日を生きるみなさんの姿にたくさんの刺激をもらっています。物理的に距離があったり、仕事やライフスタイルの違いから直接会える人は限られていますが、みなさまが心豊かに、健やかに過ごせるよう、心から願っています。
今後とも、よろしくお願いいたします!!