初対決!ガパオを食らう
前から存在は知っていたが、相手をする機会に恵まれることはなかった。
奴は私にとっては未知の食べ物だったから。
そう、「ガパオ」だ。
何を隠そう私は小心者。諸外国の伝統料理を食すには心の準備をしないといけない。胃袋の。
日本食で育った胃袋は、人見知りをするらしくなかなか、横文字の料理を食べようとしない。
だがしかし、チャンスは突然やってくるのだ。
ランチタイムに入ったカレーにガパオがあるではないか!
カレーの香ばしい匂いにつられて入ったのを忘れ、変化球でもあるガパオを何も考えずに注文してしまった。勢いで大胆な行動に出るときもあるのだな、とシミジミ思う。
初めて食べるし、カレー屋で食べるからガパオもカレーに似た物だと曖昧なイメージでいました。運ばれてきて少し戸惑った。
キレイな黄色をした目玉焼きが2つのせられて、ご飯とひき肉を炒めた物が半々にお皿に盛られているではないか。
遠目で見るとカレーのような盛り付けで、炒めたひき肉もカレーのような茶色をしている。
だがよく見るとひき肉は液状ではない。
日本食で例えるなら、「そぼろ」のようだ。
てっきりカレーのようなものだと思っていた私は軽くパニック。
まず食べ方に戸惑った。カレーのように分量に気を付けてご飯と食べるのがいいのか。
のっけから目玉焼きを潰して、ご飯とひき肉を混ぜてしまうのか。
はたまた、独自の食べ方があるのだろうか。
考えれば考えるほど、料理は冷める一方なので、取り敢えずカレーのように食べた。
日本料理にはないような、葉物の独特の香りがツーンと鼻を突き抜ける。
甘辛く濃いめに味付けされたひき肉はスパイシーで、ご飯と相性が抜群。
濃い味付けでご飯がどんどん進む。
もったいないと思いながらも目玉焼きを潰すと、中からドロっと色濃い黄身が溢れ出す。この光景だけでも食欲がわく。
目玉焼きは最高のトッピングメニューだ。
濃いめに味付けされたひき肉たちをまろやかな味に変えてくれる。
濃厚さがより増して、さらにご飯が進んでしまう。
初めはカレーでもチャーハンでもないスタンスに驚いたが、食べてみればどうってことない。そぼろご飯の一種だと思えばね。
食べ進めていると、フッと疑問が湧き出てくる。
そもそもガパオって何なの?
気になったので食べ終わってから調べてみた。
どうやらバジルの一種。ホーリーバジルのことを言うらしい。
タイではとても一般的な家庭料理とされている。
日本でよく聞くガパオライスとは、バジル炒めご飯を指す。
なるほど、独特のスパイシーな香りはバジルだったのか。
飴色に炒められたひき肉からはバジルが入っているとは思えなかったな。
食べ終わってしまったため確認できない。
次回からは、バジルを意識しながら食べてみたいなと思う。