無理やり頑張らないこと
社会人2年目のある日、何かの糸が急にぷっつんと切れたことがある。
冬の真っ只中だったであろうか。1月とか2月とか、そのあたりだったかな。
それまで、普通に仕事をして、普通に恋愛もして、普通にプライベートの時間を楽しく過ごしていた。
我ながら色々と充実した毎日だと思っていた。
一生懸命頑張っていれば、たまには自分になんかちょっとでも良いことが起こっちゃったりしたりなんかするんかなぁ、とかのんきに思っていたし、心の底からそう信じていた。
だけど、現実は全然やさしくなかった。
ある日突然、何にもできなくなってしまった。昨日までの自分がうそなのかと思うほどに。
それはそれはひどかった。
まず、いつであれば当たり前のように行っていたことが、急にもの凄く難しいことになった。朝起きること、顔を洗うこと、歯を磨くこと、ごはんを食べること、お風呂に入ること、お化粧や身なりを整えること、友人からのLINEやメッセージに返信をすること、掃除をすること、洗濯をすること...挙げたらキリがない。
仕事場へはかろうじて行っていた。しかしながら、朝はギリギリまでベッドから起き上がることもできない。お化粧をする時間はないからマスクをしてカモフラージュ。洋服もヘアセットも適当そのもの。
それでもなんとか職場へ向かう自分がいた。もう意地だった。なんというか、一度休んだらもう2度と会社に出社をして仕事をすることができないと思っていた。とても怖かった。
「最近の自分、ちょっと疲れてるんだろうなぁ。」くらいにしか思ってなかった。だけど、普段の疲れた時の自分とはあまりにもかけ離れてたその姿・形に、だんだんと危機感を覚えた。
「あれ?わたしまじめに大丈夫かな?」
自分の置かれた状況を必死に理解しようと、冷静に原因を考えてみたけれど、考えれば考えるほど頭の中がぐちゃぐちゃになって、なんというか家族にすら上手く説明ができなくなっていた。
その週末、わたしは心療内科を受診することにした。