駄菓子文「俺の実家の引っ越しと言う話、その2」
俺のような文字書きがドヤ顔で、人を引き付けられると思い、話を2つに渡ってお送りしている事に関してお詫びを申し上げるとともに、1をみてない人にも一瞬であらすじをお送りすると。
状況が酷い実家から引っ越しするためメチャクチャ頑張ってゴミ袋100袋くらいだしました。
と言うのがその1です。ご査収ください。
で。
で、だ。
「ここはゴミ溜め、見た通りクズがクズ拾ってクズのように暮らしている町さ、ヒヘヘッ」
と第一町人が語り、RPGの中盤で出てきて、町の中でもエンカウントしそうな俺の実家。(売ってる武器はなぜか強め)
重さ軽さで言うと重い部類のゴミ屋敷。
いや、ごめん言い訳させてもらうとゴミ方面に関しては割と気を付けていたし、掃除に関してはつぶさにしてたいと思う、でももう、手の付けられない部分とか端っこはもう、アレじゃん? みたいな? さ? ねぇ?
まぁ、嫁と家庭を持つようになって、夜10時に洗濯物干そうとして「え?何で今から洗濯物干そうとしてんの?」って言われて初めて「え?むしろ、洗濯物って日が出てるときにしか干しちゃダメなの?」に気付いた程度の家庭で育ってきた自分が引っ越しをしようとした話なんですけども。
「取り壊しになった家の中に、箪笥、押し入れの中、冷蔵庫、とか、って言うか家財の一切合切がその辺がそのまんまだよ」って大家から怒られて「なんとかせんといかんね」と言う話になったんですが。
俺と母親の共通認識は「いや、重機くらいのパワーなら、家、もろともいけるんじゃねぇの?」って言う認識でして「重機ならすべて無に帰せるんでしょ?」くらいビッグポイントカードへの信頼感くらいの勢いで重機を信じていたんですけども「困る」との事でどうにかしなきゃなってなったんですけども。
あのね「自分が勝手知ったる家の密閉されている空間への恐怖」ってまともな家庭に育った人だったらわからないでしょう? って事からまずは言っておきたい。
家の箪笥なんてね? バイオハザードだったらグレネードランチャーか死体が入ってるんじゃないかな? ってくらいの雰囲気なんですよ。最低でも何かしらの重要な情報とか、下手してもショットガン本体、完全にハンドガンの弾とかインクリボンが入ってるとか軽いレベルの雰囲気じゃないんですよ。なんなら2段目には火炎弾が出てきてもおかしくない。で、その「死体(突然復活して襲ってくる耐久力高めのゾンビ)or重要武器」のインパクトも完全にイチかバチか、気持ちバチ側に可能性7:3なんですよ。
なんなら押し入れなんて「物心ついてから25年くらい経ってるけど、ここを開けた記憶が一個もない」レベルの物でして。
冗談抜きで、いや「そんなバカなwwww」って笑っている人がいるかもしれないんですけども、本当の意味で、冗談抜きで!! ナウシカのムカデで羽虫が合体したアイツが居てもおかしくないくらいのレベルで秘境なんですよ。
家主ですら想像がつかない、ゴキブリならばまだまし。
針、牙、鱗粉、毒、この辺の兵器を搭載している虫が出てきてもおかしくないくらいの恐怖、わかりますか?
ならマシで、なんかしらんけど「小動物の死体」or「ガチで人間の死体」が出てくるかもしれないと思うには十分の恐怖!! わかりますか!? みなさんに!!?? わからないでしょうね! みなさんには!!
でも母親の「虫も食べ物がなきゃ生きていけない」
の一言に助けられ、箪笥も押し入れも冷蔵庫(食料品そのままでぶっ壊れて20年間もの間そのまま)も処分する事に決めました。
結果、箪笥には衣料品が、押し入れには布団が、冷蔵庫はいったん置いといて、入ってまして、まぁまぁ、軍手に長袖で全部ゴミ袋につっこみまして、処分する事に成功。これにて一見落着。
とはならず。
ですよ、冷蔵庫ですよ。
いや、つってもね? つっても、少なくとも7300日間は開けてない。若い時分は「汁的な何か」が扉から染み出てた事もあったような気がするけど、冷蔵庫と俺達はお互いがお互いを干渉しないドライな、シェアハウス的な付き合い方をしていたんですけども、ここに来て急な接近、トレンディドラマならドキドキ物の展開ですよ。
で、彼(冷蔵庫)の中みを「ミヂヂ」とか言う音を聞いてちょっと開けてみました。
バンッ(壁ドン)
これ、中身捨てなきゃダメですかね?(ダメです)
うん、OKOK、大丈夫、腐臭とかそう言うのは平気、と言うか風化してた、うん。
結構な、うん、羽系? みたいな、うん、死んでるんだとは思うんだけども、うん、わかるわかる、見たことある、ああいう奴、うん、知ってる知ってる。アリにね? 羽ついてる感じの? うん、ニュルニュル系じゃないから大丈夫大丈夫、よっっしっっ!!
わーーーーーーーー!!!!!!!!
ってね、声を上げながらね箒でワッサワッサさせながら片付けましたよ、もう一生分少し超えたくらいの勇気を振り絞りやりとげました。
あとはもう、廃品回収の業者さんがもってってくれました。
そんなわけで、燃えるごみ回収シール40枚、燃えるゴミ袋120枚、燃えないゴミ回収シール50枚、燃えないゴミ袋80枚くらい使い家の中を空っぽにしました。
で、引っ越しにあたり、持ち出した物は、テレビとゲーム機、ちょっとの漫画本、家の母親に至っては、ディズニーのクランチ(ドナルドが缶に印字されてるやつ)2缶分でした。
この引っ越しでね、学んだんですけども。
グッズとか、ノベルティとかね、もうこの先生きていく中でいらないなと。
フィギュアだったりね、タペストリ? そう言うのね、一切合財捨てました、残したのは春香さんのキューポッシュとよつばとの風香のフィギュアとHi-νのプラモくらい、これからは物を増やさない生活を心がける事にしましたよ。
そんな事を、掃除してくれてる嫁を見ながら思いました。
ゴメンね、洗濯と料理はなるべくやるからね、ゴメンね。