教師になるためのノート「第1項 教師とは?」
柳井 正さんの「経営者になるためのノート」を読んで、これは教師や学校にも応用できるのではないかなと思って、経営者になるためのノートをもとに「教師になるためのノート」を書いてみました。最近、教師になる人が減っている中、さらにこんなことを言ったら、もっと減るかもしれませんが、教師はそもそもこういった志が必要なんじゃないかと最近思います。
こんな若造が何言うてんねんと思うかもしれませんが、今後の自分のためにもここに記しておこうと思います。
第一項 「教師とは」
教師とは、一言でいえば、「子どもを成長させる人」です。
これが私の考える教師の定義です。教師に求められているのは、「子どもを成長させること」。これに尽きます。
成長とは、「子どもの学力や人間力を高めること」です。
教師、学校が、生徒、保護者、地域に対して、「こうなります」「こうします」「これをやります」と宣言をして約束したこと。これを実行して、実現する。これで子ども、保護者、地域の方から信頼を高め、これをもとに子どもの学力や人間力を高めます。
そして、このような、自分たちがやると約束する成果を考えるにあたって、いちばん大切なことは、社会における自分たちの存在意義、つまり使命を考えることです。
そもそもなんのために学校があるのか、それをよく考えるということです。学校は、社会や地域にどのように貢献するのか。これをよく考えるということです。
ちなみに、僕の教師としての使命は、「すべての子どもがイキイキするような学校にするために、教育を変えて、日本を変えて、日本の教育を世界にアピールする」です。
この使命感にゴールはありません。永久にゴールに到達することはないのですが、ゴールを目指して追いかけます。
永久に完成しないけれど、それに近づくために、5年後にはこうなる、来年にはこうなる、今年はこうなる。こうなるために、今からこれをやる、今年はこれをやる。来月、来週、今日はこれをやると約束をする。そうやって約束したことを実現する。
それが成果ですから、約束する成果というものは、使命の実現に一歩近づくものでなければいけないということです。
学校の使命と成果が結びついていること。これが大事です。
学校はただでさえ、日々忙しいです。そのなかで、日々の仕事をこなしていくだけで、大変です。前例踏襲で日々の仕事をこなすだけでも、周りから「先生」と呼ばれ、ある程度、仕事ができている風になります。しかし、これでは、だめです。自分の使命のために、その実現のために、忙しい仕事の中で、仕事の取捨選択をし、なくすものをなくし、本当に必要なものをつくっていくその姿勢が大事だと思います。
みんなの学校の木村泰子さんは「すべての子どもの学習権を保障する」という理念のもと、大空小学校を導きました。
麹町中学校の工藤勇一さんは「子どもを自律させる」という理念のもと様々な改革を実施しました。
2人がなぜ、あらゆる人から尊敬されながら、学校を変えることができなのか。
それはやはり彼らは使命感を持ち、その使命の実現に近づく道程として、その時その時の、目指すべき姿、やるべきことを約束として宣言し、それを成果として実現させてきたから。そして、その実現を通じて、実際に社会に貢献する実践をされていたからにほかなりません。
理想の教師、学校の姿とはこういうことだと思います。
これから教師になる人は、このことをしっかりと心得てほしいと思います。