治験が副業に向いていない理由

おはようございます。ボーイ(@TekitoF)です。
大阪治験病院で9泊10日の治験に行ってきました。
題名の通り、治験は副業に向かないことがよくわかりました。理由を色々書いておきますので、よろしければどうぞ。

重要な前提として、「副業」を
1,月給で生活している者が、
2,「遊興費を増やすこと」を目的とし
3,休日を月給業以外の仕事に使うこと
と決めて話を進めます。

1,給料が割に合わない

 基本的に治験の相場は1泊あたり2万円弱です。1泊2日だと日給1万円、9泊10日だと日給1.8万円...というふうに、長期になればなるほど得になりますが、月給で生活する人はそもそも長期の治験に参加できません。フリーランサーであれば自由に入ることも出来ますが、土日や祝祭日の連休を使って…となるとかなり厳しいです。
 これに対して「診察以外の時間は全て自由時間なんだから、他の副業と組み合わせられるよ!」という反論が考えられますが、これも次の理由から「無いな」と思ってます。

2,作業環境が「無い」

作業環境が悪い、とかじゃなく「無い」です。治験中は基本ベッド上での作業になります。大阪治験病院には自習室と談話室があり、机や椅子も用意されています。しかし、自習室はほぼ満席でしたし、談話室のテーブルも作業に適したものではありません。殆どの病院では、そもそも自習室なるものも無いでしょう。
 あるのはベッド上に置けるテーブルか、ベッド横にあるテレビ台のようなモノリス(下)だけです。床頭台というらしいです。

床頭台


 そして通話は談話室以外では禁止、これでは客先と連絡も取れませんね。
 さらに、周りに居る人達も、同じく「治験に参加するような生活をしている人」なんですよ。殆どがフリーターか、それにもなれないような人たちです。基本的にベッドルームでスマホを触っているか、Switchをやっているか、漫画を読んでいいるか、という人たちです。そんな人達を視界に入れながら作業できる、という人は少ないと思います。
 以上のことから、「他の副業や作業時間を捻出しながらお金が稼げるから」という理由は成立しないのです。

3,実質的な拘束時間が長い

治験参加のためには事前検診と入院時検診を突破しないといけません。これがまた厄介で、この検診の2週間前から
・酒禁止
・暴飲暴食禁止
・サプリメント禁止
・激しい運動禁止
という制限がかかります。特に下2つはかなり重いです。
サプリメントには栄養補助食品のほぼ全てが該当します。プロテインやビタミン剤も飲めないのです。手軽にタンパク質やビタミンを摂取できなくなるため、野菜や肉を意識して調理する必要があるのです。面倒くさいですね。
激しい運動については、他の副業との親和性は最悪です。UberEats、警備、ピッキング等は論外です。その他の肉体労働も不可能ですし、コンビニバイトくらいと組み合わせるしかありません。
以上のことから、「治験前にも収入源、生活に大きな制限が掛かる」ことがわかります。

4,単純に不健康

健康の定義が曖昧ですが、少なくとも私には不健康だと感じられました。

健康の定義は多々ありますが、
・10日程度で余剰カロリーが1700kcal
・寝たきりで運動ができない
・作業環境も無い
・外出して日光を浴びられない
・揚げ物などを強制的に食べさせられる
という生活が健康かどうかは議論の余地が無いと私は思います。

まとめ

以上のことから
・実質的な賃金が低い
・不健康
・他副業との親和性も最悪
・事前検診で落ちると骨折り損(肉体労働不可のため)
というのが治験の実態です。
これだけのことをやって、開発途上の薬を体に打ち込んで、得られるお金は10数万円程度です。しかも落ちたら給料は1万円程度、予定はその後10日急に空いてしまうんです。私はこれっきりかなと思ってます。

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