安野たかひろさん(のような候補)が取るべき戦略ってなんだろう

結論

  • シングルイシュー訴求にする

  • 出生率または自然災害だけを徹底して主張して「たとえ落選しても、当選した都知事に圧をかけられるので無駄にならない」という支持者の心の言い訳を用意することで勢力を拡大する

考えること

①究極の目的、あるいは問題を定義する

東京都知事に立候補するときに「いい給料をもらって気楽に暮らしたいから立候補する」と主張する人はいないと思います。なんでかというと、それでは当選できない(気楽に暮らすという目的を達成できない)からですね。これはつまり「何かをやりたい←そのためには当選したい←そのためには不適切な主張をするべきではない」という思考があるといえます。

当たり前のようですが、これは大事なところです。つまり当選は途中経過であって、最終目的地ではないんです。

都知事選に立候補する究極の目的は、もちろん候補者によると思います。しかし誰にとっても「選挙に立候補する」とか「都知事になる」はあくまで手段です。選挙を通じて何をするのか?それがまず最初にあるはずです。

  • YouTubeチャンネルを宣伝したい

  • 制度をハックして広告収入を得たい

  • 当選する知事にプレッシャーを与えたい

  • みずから都知事になって政治を動かしたい

「究極の目的」は、究極的にはなんでもいいです。民主主義はそういうものですから。でも何かがあるはずです。

安野さんは「テクノロジーで誰も取り残さない東京へ」というフレーズを掲げています。ここでは素朴に、これが究極の目的であるとして考えていきましょう。

②選挙後どういう状態になりたいのかを考える

ではその究極の目的である「テクノロジーで誰も取り残さない東京へ」とは何か?

私は候補者本人ではありませんし、選挙運動の陣営にも属していません。そこで資料から想像すると、おおよそこんな感じの未来の実現が目的となるでしょうか。

  1. AI技術産業が発展する

  2. 都民労働者の経済生活が改善、向上している

  3. 現役世代、とくに子育て世代が重視され、出生率が上がっている

  4. 都知事という行政機関が透明化し、実質的な直接民主制を実現している

四番目については「そこまでのことは主張していない」と反論されるかもしれませんが…  少なくとも私にはそう読めました。良くも悪くも「唯一無二で替えの効かないリーダー」を演じる気がないっぽいんですよね。

それはともかく、1から3はまあまあ広く支持されそうな話ではあります。じゃあいいじゃん!と思いますよね。でもそうではないんだな。

③どうやってこの状態に近づくか

選挙という仕組みを使う以上、理想に近づく方法はただ一つ「たくさんの票を取る」ことだけです。逆にいうと「票が減る理由をつぶせば、その分だけ理想に近づく」ということでもあります。

ここではあえて省略しますが、安野さんの票を減らしそうな要素はいろいろあると思います。まあ世間でもあれこれ言われていますね。その批判が本質か、正しいかは誰にも判断できません。しかし票の増減は真実です。票を減らすことは、候補者の理想を遠ざけることです。票を増やすことは、求める未来へ向かう前進です。なので安野さんを応援するのであれば、安野さんの獲得票を増やす方法を考えたいところです。

また情勢からいって、安野さんの当選は非常に難しいと考えています。少なくとも安野さんを「当選確実な有力候補」と主張している個人やマスコミは見たことがありません。そのような状況において、陣営は有権者に「確かに安野は当選しないかもしれないが、それでも安野に一票を投じるべきである」という難しい主張を届け、納得してもらう必要があります。そのためにはどういう方法があるでしょうか?

私が思うに、このような状況でとるべきアプローチはただ一つ、一点突破です。つまり主張は少ければ少ないほどよい。論点が明確であるほど「たとえ安野が負けても、この問題に抗議する有権者はこれだけいるぞ!」と示すことができる(ので投票も選挙運動も無駄ではない)と有権者にアピールできます。

現在のマニフェストのうち、それだけの層を押さえられる論点は「自然災害の備え」か「出生率の上昇」だけだと思います。そして安野さんが現役世代を重視するのなら、出生率の上昇だけを徹底して主張する(他は捨てる)ことが最も現状に適している戦術ではないでしょうか。

ちなみに具体案は?

出生率で戦いましょう!と言いましたが、私自身はなにも具体的なアイデアを持っていません。ただ直感的に「値下げ」とか「補助金」は行動変容(それなら子供を産み育ててみよう!という方針転換)につながらないと思っています。だってそのぶん他が値上がりするのが目に見えていますからね…

めちゃくちゃ素朴に考えると、日本社会では補助金より天井の方が効果がありそうだと思います。つまり例えば「子供ひとりにつき800万円あれば大丈夫」みたいなやつです。親が子供のために毎月3万3000円(20年で800万円)を稼いでくれたら、あとは東京都がすべてなんとかするというように、親の責任と上限を抱き合わせにしたメッセージの方が、いまの日本ではよく刺さると思うんですよねー。これはソシャゲのガチャの手口ですので、実績があります。成功まちがいないですね。

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