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もっと早く買いたかった。音楽体験を一新させた「小さな筒」
たぶん気づいている人も多いと思います。
最近のポップミュージックが、どんどん低音重視になっていることに。
なにもヒップホップやEDMだけじゃありません。米津玄師やOfficial髭男dismのようなトップJ-POPから、アイドル曲に至るまで、ベースの存在感が昔よりグッと前面に出てきています。
これにはいくつかの理由が考えられますが、AirPodsの普及によって多くのリスナーが低音再生環境を得たことも影響していると思われます。
ともかく、ミュージシャンやプロデューサー、エンジニアが「低音をどう聴かせるか?」をかなり意識して仕事をしているのには間違いありません。
そんな低音重視時代において、僕の音楽体験が大きく変わりました。
その理由がこの「ポータブルなサブウーファー」です。
(照沼健太)
サブウーファー=低音の世界を「感じる」ためのスピーカー
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サブウーファー(Subwoofer) は、通常「20Hz~200Hzの低音域を強化するためのスピーカーの一種」。
一般的なスピーカーでは再生が難しい「より深い低音」を鳴らしてくれるやつなんです。
よく映画のサラウンドを 「5.1ch」や「7.1ch」 と表記しますが、この 「0.1」 という部分が サブウーファー。映画館で感じるあの地鳴りのような低音は、まさにサブウーファーの本領です。
「聴く」というよりも「感じる」低音を鳴らしてくれるわけですね。
なぜサブウーファーを導入したのか
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僕が使っているスピーカーは非常に高性能なのですが、低域の再生が「50Hz」までなんです。
これは現代のラップやクラブミュージックを鳴らすには少し物足りない。というのも、50Hzより低い、「聴く」というよりも「感じる」低音こそが現代の音楽の肝の一つだから。
低域が重視される音楽をしっかり聴きたいときは、ヘッドホンを使うなどしてきましたが、「聴く」というよりも「感じる」ためには、ヘッドホンよりも断然スピーカーです。耳以外の部分で低音を感じないと、やっぱりそれは別物なんです。
以前、Perfume、ビョークやアルカ、スクエアプッシャーとの仕事でも知られるライゾマティクスの真鍋大度さんのスタジオに伺った際、そこでサブウーファーの効果に驚かされていたのですが、設置の問題などから自分の環境では導入しづらかったんですよね。
そこで出会ったのが、この持ち運びもできるコンパクトなサブウーファーです。
超お手軽でコンパクトなサブウーファー「Minirig Sub 3」
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「Minirig Sub 3」は英国ブリストル発のオーディオブランド「Minirig」の製品。
音楽好きにとって「ブリストル」といえば、マッシヴ・アタックなどのアーティストの名前が浮かぶわけで、それだけで「低音ヤバそう」って感じがしてきます。
で、この「Minirig Sub 3」はMinirigのポータブルスピーカーシリーズの一環としてリリースされているサブウーファー。
その特徴は
世界最小クラスのポータブルサブウーファー
40Wのパワーを実現しており、小さなボディから想像できないほどの低音を出せる
サイズは直径約10cm、高さ21cmとかなりコンパクト
バッテリー駆動時間は最大80時間(低音量時)と驚異的なスタミナ
というもの。
ここで注意したいのは、本製品はMinirigシリーズのスピーカーと組み合わせて使うことを前提に作られていることです。
既存のスピーカーと組み合わせて使うためにはちょっとした工夫がいります。
「Minirig Sub 3」の設定方法
もともとこのサブウーファーを知ったのは、高城剛さんが自身の持ち物を紹介している書籍「LIFE PACKING 60」から。
高城さんはMacBook Proのスピーカーの性能の良さに着目し、唯一物足りない低音部分を補強するために本製品を組み合わせて使っているとのことでした。
でも、普通にMacのイヤホンジャックに有線接続すると、「Minirig Sub 3」からボコボコした音が鳴るだけで(低音専用スピーカーですから)、MacBook Proのスピーカーからは音が出なくなってしまいます。
そこで必要になるのがMac側での「複数出力装置」の設定です。
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「Audio MIDI設定」を起動して、左下の「+」ボタンから「複数出力装置」を追加して、「MacBook Proのスピーカー」と「外部ヘッドフォン」を同時に鳴らす設定をすれば、MacBook ProとMinirig Sub 3の両方から音が出るようになります。
正直、これだけでめっちゃ音がいいです。通常のリスニングだけならこの「高城剛方式」で十分なオーディオ環境を構築できます。
僕はこれを応用して、
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