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戻りたいスウェーデンに戻れなかった8ヶ月~後編~

後編、始まりますっ

前編を読んでいただいた方々、ありがとうございました。
まだ読んでいない方、こちらからぜひ↓↓
ビザ取得のための負けられない闘いが記されています。

前編では、今シーズンはスウェーデンでプレーすることを諦めて、日本でプレーする決意をしたところで終わりました。

さぁ、日本でのチーム探しが始まります。

リスタート

何チームか「ここでプレーしてみたい!」と思うチームに連絡し練習参加をお願いしました。
昔一緒にプレーしていた選手や、22年間の現役生活で関わったことのある人たちが全力で私のこの挑戦に協力してくれました。

あの時はみんな本当にありがとう!

もう日本はシーズンインしていたので、無理なお願いであることは理解していたし半分ダメもとでもありました。

それでもそんな中で受け入れようとしてくれたチーム、声を掛けてくれたチームがいくつかありました。

こんな有名でも何でもない、代表クラスでもなければ若くもない、行く当てがなくただ彷徨っている1サッカー選手に手を差し伸べてくれたことが心から嬉しかったです。

「また日本でサッカーを楽しめるかもしれない」
「頑張っている姿を応援してくれている人たちに見せられるかもしれない」

そんなイメージをしてワクワクしていました!

そして練習参加をさせてもらって改めて気づくことも多くありました。

やっぱりスウェーデンと違うのは、練習から1つ1つのプレーに100%注ぎ込んでいるし、妥協しない。
私から見ればそう感じるけど、それでも選手たち本人は「これじゃまだまだ足りない」と全然納得していないんです。

その貪欲さやサッカーに向き合う姿勢は、間違いなく私が日本で学んだことであり、スウェーデンで評価された部分でした。

それを改めて思い出させてくれました。

急な急展開

いや、急展開って急だから急展開なんですけど本当に急展開だったので2重で急さを増しての、急な急展開です。(説明うるさ)

プレービデオと履歴書を送って練習参加の日程も決まっていたチームがもう1つあったのですが、そんな時にビザに関するある情報が入ってきました。

今から「学生ビザ」を申請したらシーズン後期には間に合うはずだよ!!


今シーズンは日本でプレーすると決めたものの、1番はやっぱりスウェーデンでプレーしたいという思いがあったので少しでもその可能性がまだ残っているならそこに賭けてみたい。

素直にそう思いました。

何でこんなにスウェーデンに戻りたいんだろう?
とよく考えます。 

スウェーデンでの生活は楽しい事ばかりではなかったし、日本も大好きです。それでもスウェーデンに戻りたいと思う理由は、

必要としてくれている人がいるから

だと思います。

人は、自分を必要としてくれている場所で1番輝くと思っています。
そこにレベルの高さも場所も環境も関係ありません。

今の私にとって、スウェーデンのクラブこそがその場所だと感じていたから何としても戻りたかったのだと思います。

だから、日本で受け入れようとしてくれていたチームに事情を話しスウェーデンへもう一度挑戦することを決めました。

自分からお願いしたくせに自分から断るというなんとも自分勝手な行動でしたが、どのチームも「自分が本当にやりたいと思う方向に進むのが1番大事なことだから」と言って私の背中を押してくださりました。

周りの理解があってこそやりたいことに思い切って挑戦できる。

心からそう感じました。いつか必ずこの恩を返したいです。

人生のドン底

この時期、正直プライベートのことでも色んなことがあって私にとってとても辛い時期でした。

謎の体調不良が続き、
頭痛、めまい、吐き気、動悸、胸痛、胃痛、食欲不振、気力低下

ひたすら色んな病院に行って検査をしても特別異常はなく、原因が分からないので対処法も分からず毎日が憂鬱でした。

そんな日々を過ごしていた時に発覚した、大切な人の大きな病気。

自分が体調不良で辛いことよりも何倍も辛く、初めて「大切な人を失うかもしれない」恐怖を感じました。

もちろん健康で毎日生きられることを当たり前と思ったことはないけど、いざそういう状況に直面すると何とも言えない恐怖心が溢れるものです。

自分が体調を崩している場合じゃない。
そう思い、皆んなで助け合って病気と闘いました。

更にそんな時に、幼馴染と絶交することに。
価値観や考え方は大人になるに連れて変わっていくし、付き合う友達も変わっていくのかなとは思うけど、それでもやっぱり悲しかったです。

そして更に、「この人と将来ずっと生きていくんだろうなぁ」って思っていた人とお別れすることになってしまいました。
私にとって家族と同じくらい大事な人でした。

さすがにいつもポジティブに考えられる自分も、この時だけは何もかもがネガティブにしか考えられませんでした。

悪いことって何でこんなに続くんだろう、と涙する毎日。

大袈裟じゃなく、

あ~ここは人生のドン底なんやな〜。

そう思わずにはいられませんでした。

皆さんもきっと人生でそんな時期を経験したことがあると思います。
もしかしたら今その真っ只中の人もいるかもしれない。

そういう時って
「本当にこの先良いことがあるのかな?」とか
「ここからいつか抜け出せるのかな?」
ってすごく不安になると思います。

でもその不安が余計に自分を悪い方向へ進めて、なんだかもう悪循環になりますよね。

何もやる気が出ず、

もうこのままサッカーをやめてしまおうか

とも考えていました。
一度色んなことから一歩引いて少し休みたかった。

すべてがしんどくなって、自分1人じゃ抱えきれなくなって、大好きなはずのサッカーのことを考えることさえしんどかったんです。

でもそんな時にただ一緒にいて笑かしてくれたり居場所を作ってくれたのは、家族であり、友達でした。

「何があっても味方だよ」
「悪いことばっかり続かないから大丈夫」
「今はきっとそういう時期なだけ!」
「全部うまくいくから心配しなくていいよ」

そんな言葉をかけてくれて、少しずつ少しずつ前を向くことができました。

何があっても失いたくない
何かあった時は助けてあげたい

そう思える人たちです。

皆んなの助け合い、良いお医者さんとの出会い、色んな不幸中の幸いが重なったこともあり、大切な人を失わずに済みました。

改めて、周りの大切な人たちを大切にしたい。
一度きりの人生を後悔なく生きたい。

そう思わされる出来事でした。
と同時に、スウェーデンに戻れてなくてよかったと思いました。
もしスウェーデンにいたら不安で心配で日本に戻ってきていたかもしれません。側にいれて本当に良かった。

神様がまだ戻っちゃダメだよ。
って言ってこうしてくれたのかも。

そんな風に過ごしていた時に学生ビザの話が舞い込んできたので、今の状況からどうにか抜け出したくて迷わず決めました。

決めたらそこからとんでもなく早いタイプなので、ここからは迷いなく全力疾走です!(笑)

学生ビザの申請

でもこれももちろん簡単ではありません。学校からの入学許可が必要なので、まずは学校宛に願書を書きます。もちろん英語です。
日本の大学でどんなことを学んで、それを踏まえてスウェーデンでどんなことを学び今後どう活かしていくかを書きます。

学校から入学許可証をもらったらビザ申請の手続きがスタートします。
これも今まで学生ビザを申請したことがある人にアドバイスをもらって、どうすれば許可がおりやすいかを考えながら進めました。

例えば、学生ビザを申請する理由として、ただスウェーデンに興味があって学んでみたいから!なんて理由じゃ絶対に通りません(笑)

分かりやすく言うと、
「どうやってあんたは我がスウェーデン社会に貢献してくれんのかいね、ワレ」
という質問が来ることを想定して、最初からその理由を書いておくことが大事です。

相手が考えていることを予測して事前に潰す!

これがビザ取得のポイントだと思います!
サッカーみたいっっ

そしてなんと…
5月中旬に申請して、6月末に許可がおりました!

はやっ!!
今までのビザの苦労はなんやったんや?
って思いますよね(笑)

でもこのタイミングだったからこそこの短期間でおりたというのもあります。
語学学校ではなく、スウェーデン語で授業が行われる普通の学校に行くのでかなり大変そうですが、良い学びができそうで楽しみです!

当たり前じゃない環境

日本滞在中、ビザが降りるまでの間サッカー選手としてコンディションを整えておく必要がありました。

ビザを申請した後、サッカーができる環境を探しました。

結果、たくさんの学校にお世話になりました。
母校はもちろん、母校じゃないところも快く受け入れてくれて仲間として接してくれました!

これは本当に当たり前のことではありません。

許してくれた監督やコーチはもちろん、選手たちも「この知らないおばさんはダレ。」って思っていたと思います(笑)

でもどの学校の選手もみんな素直で真っ直ぐで一生懸命で本当に可愛いんです(笑)プレーの事やなでしこリーグのこと、海外のことも興味がある子は聞きにきてくれて、純粋な姿に刺激を受けました。

みんな私なんかよりもサッカーのセンスがあって、これからが楽しみな子たちばかりです!!

たくさんの人たちのお陰で、この8ヶ月間コンディションを保つどころか、段々と調子を上げていくことができました!

もうシーズンへの準備は完璧です!!

練習参加を受け入れてくれた、

帝塚山学院大学 女子サッカー部
大阪桐蔭高校 女子サッカー部
追手門学院大学 女子サッカー部
大商学園 女子サッカー部

本当にありがとうございました!

お陰様で、一度離れようとしたサッカーともう一度向き合うことができました。

改めてサッカーの楽しさを思い出させてくれて
改めて自分がサッカーが好きだと教えてくれて
そして自分の人生がサッカーにどれだけ支えられてるか気付かされました。

これからも応援したいクラブ、選手たちです!

帝塚山学院大学
大阪桐蔭高校

無駄じゃなかった8ヶ月

辛いことばかりだった日本での生活。

実際には8ヶ月でも体感的には10年くらいです。

今、思い出しただけでも涙が出ます。

失ったものもたくさんあるけど、思い返せばそれ以上に得たものがありました。

今まで疎遠だった人たちと久しぶりに会えたり
18歳で家を出たので10年以上ぶりに家族とたくさん過ごせたり
新たな出会いがあったり

人生良いことばかりではないけど、心の持ち方次第で自分で良い方向に変えていける。

ポジティブに考える時間を1秒でも増やしていく。
その積み重ねが人生になる。

そう思ってこれからもポジティブに、
自分の道を歩いていきます。


昨日、無事にスウェーデンに着きました。
またここで、新たに頑張ります。


長くなりましたが最後まで読んでいただきありがとうございます!

皆さんもどうか身体に気をつけて。
人生色んなことがあって、何もかもが嫌になる時もきっとあるけど、それでも自分と自分の周りを大切にして毎日笑顔で過ごしてください。


また、書きにきます。

Hikari




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Hikari
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