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VRoidでのファンモデル制作のすゝめ

 まず初めに自己紹介をします。
 茶味という名前でVRoidStudioでモデルを制作し、VRoidhubにて公開しているVRoider(?)です。※X(旧Twitter)はなお名義です。
twitter:https://twitter.com/nao_0902
 VRoid Hub: https://hub.vroid.com/users/7716310

 オリジナルアバターがメインですが、去年からVtuberさんのファンモデルなるものを制作しており現在(2023年12月16日)5人のファンモデルを制作しました。


 この度、私がファンモデルを作る上で得た知見を基に、VRoidでVtuberさんのファンモデルを作ることの良さや苦心するところなどを書き散らし、ファンモデルの制作を勧めさせて頂きます。

1.そもそもなぜVtuberファンモデルを?


 まず、私はVtuberさんを見るのが好きで、ねこますさんや委員長、キズナアイちゃんが出始めたころから見てました(ニコ生から配信者というものには触れていましたが...)。
 特にねこますさんの影響を受け、自分もVtuberみたいなことをやりたいと3Dに手を出しBlenderに手を出したりなどしましたが、あけなく撃沈。人体のモデリングで挫折してしまいましたw。
 挫折から時がたち、VRoidBetaが出始めた頃、手軽に3Dモデルが作れるという触れ込みにまんまとハマりそこからVRoid沼にいます。

 VRoidでモデルがある程度作れるようになり、人様からある程度の評価をもらうようになると私はふと、

せっかく3Dモデル作れるようになったんだから,Vtuberさんに何かプレゼントできないものか

と思いつきました。
 今になってなんでそんなこと思いついたのだろうと考えると。Vtuberさん、特に個人Vでは3Dを作ろうとなるとフルスクラッチでの依頼が当時主流でした。その価格は高額で、個人Vさんでそれだけのお金を集められのは相当登録者が多い上澄みの人しかいないという印象でした。
 私はもっと手軽に3Dが手に入る環境にならないかな~と思い、その環境づくりの一員になれればと思いファンモデル制作に至った次第です。
 もちろんそのVtuberさんを推したいという気持ちもありましたが、作り始める理由付けは前者のほうが強かった印象です(ファンモデルという立場ではやや不純?)。
 この思いは今も変わっておらず、Vtuberさんはもっと3Dを手軽に手に入れてmocopiとかで遊んでほしいと思っています。

2.金銭とファンモデル制作


 まず、私自身あんまりお金がないです。Vtuberさんにスパチャする・メンバーになるお金がなく、別の方法で、とファンモデル制作をしている面も過分にあります。
 ファンモデル(ファンアート全般に言えると思いますが)では初期費用だけ一定額かければ、それ以降はそれほどお金を必要としません。メンバーなどは定額で毎月かかるのに対しファンモデルは最初だけお金をかければ制作を通して推し続けるわけです(新衣装が出るたびに作るなど)。

ここで、具体的に使用するハードとソフトを金額と合わせて列挙します。
※ざっと検索をかけて調べたのものなので間違いがあるかもしれません。

・描画ハード(板タブレット, 液晶タブレット, iPad, etc....)
板タブレット(5千円~2万円程度)
液晶タブレット (2万円~50万円程度)
iPad (6万円~11万円程度)

・描画ソフト(clip stdio pro, sai, etc... )
clip stdio pro DL版 5千円
sai 5千5百円

 VRoidを遊ぶだけなら、描画ハードと描画ソフトはいりませんが、ファンモデルを作るとなると、必須とは言い切りませんが必須級にいります。特に描画ソフトは買っておくと雑コラ作りやお絵描きなど、モデル作り以外でも遊べて重宝するのでお勧めです。
 ちなみに、私はxp製の液晶タブレット+Clipstdio proで三万五千円程度の環境でやっています。 板タブレットと液晶タブレットはPCがないと使えない(一部スマホOK)ですので、安く多用途に使いたい場合は今ならiPadが良い選択だと思います。VRoidStudioのiPad版も出ましたし。
 三万という金額はメンバーに入ってグッズを買うと半年~1年(個人差あり)で使いつぶしてしまう金額ですが。機材に投資して創作すれば機材が壊れるまで半永久的に推せます(私はこの環境で三年ほどやっています)。これはお金がなくても推したいという人には向いていると思います。

3.ファンモデルと技術


 こう勧めていると、必ず『作りたいけど…イラストの技術もないし…ましてや3Dモデルなんて..』という声が上がると思いますが、個人的にファンイラストを作るよりVRoidでモデルを作る方が敷居が低いと思っています。
 とういのも、イラストは線画、塗り、構図、デッサンなどなど技術的に求められる要素が多いと思っています。また、デッサンがよくできないと人に見えないという現象が描き初めだとよく起き、その都度モチベが落ちます(経験談)。
 対してVRoidでは最初に人型の素体が用意されており、相当いじらない限り、ひとまず人には見えます。また、基本的にVRoidはテクスチャ編集(塗り)ぐらいしか弄りようがないのでイラスト一枚描くよりも技術的に求められるモノが少ないです。とりえあえず形にはなります
 私自身、イラストの技術は乏しく、1作目のにじめちゃんの髪はグラデのみで描いており、瞳も当時タブレットが使えない環境にいたため、資料とにらめっこしながらマウスで描いていました。
 それでも当人はじめ様々な人ににじめちゃんと認識して頂いてはいるので技術よりも気合や熱意かなと思います。

4.ファンモデルならではの利点


 ここでは二つほど利点をあげます。

 一つ目は公式から供給がないだろう衣装を着せて楽しめるという点です。 
 Vtuberさんの新衣装はライブ2Dの実装の厄介さなどで簡単には見られないことが多いです。また、携わった人には申し訳ないですが、せっかくお披露目した新衣装が解釈違いで受け入れられないといったこともあります(オタク特有の厄介さ)。
 一方、VRoidではBooth上で着物、水着、サンタ、ナース、シスターなどなど様々な衣装がクリエイター様によって提供されています。
 VRoidでは素体さえ作ってしまえば、自分の解釈に従って好きな衣装をBoothで買って着せることもできますし、自分でデザインした衣装も着せて楽しむことができます(公式ではコンプラ的に着せられない衣装も)。そういった楽しみができる点がVRoidでのモデル作りは強いです。


衣装着せ替え例 : バニー衣装のうるちゃん
(衣装:https://faindustries.booth.pm/items/3881009)
背景:https://sozaino.site/
衣装着せ替え例:ガーリーな衣装のにじめちゃん
(衣装:https://nemishop.booth.pm/items/2259597)
背景:https://sozaino.site/

 二つ目はファンモデルはファンアートの中でも、露出が多めということです。
 ファンイラストでは動画サムネに使われることがあります。しかし、使われるのは1,2回。多くても8回ほどです。イラストは何時間も使って描くのを重々知っているがゆえに露出が低くてコスパは悪いかなと思っています。
 ファンモデルでは、今はVark Shotsなどでテンプレを一通り試すだけでも10個以上のショート動画が作成できます。そう考えるとイラスト一枚描くよりも露出が多くコスパ的にはいいなと思っています。
 制作物が推しに利用される機会が多い。この事実は作る側したら結構大きいと個人的に思っています。
※決してイラストを乏しめる意図はなく、むしろイラストの作成の苦労と消費のスピードのギャップに対して違和感を感じています。

動画:Varkshortsで作ったにじめちゅんのショート動画
この動画みたいなものが数クリックでできます。すごい


5.ファンモデルの作り方


 ここではファンモデルの作り方を簡単に説明します。
 まず、Vtuberさんの立ち絵をX(旧twitter)等でDLします。ここで全身立ち絵は必ずDLして、もし目元や足、胸などの各部位のアップ写真があればDLしておくことをお勧めします(Xのハッシュタグで部位を強調したアップ画像をあげている場合多し)。
 『拡大すれば見えるんだからアップの写真なんていらないのでは?』
 と、思うかもしれませんがjpegの性質的に拡大すると劣化して、画像がぼやけます。X(旧twitter)では基本的にjpeg形式のものしか手に入れられません。なので各部位の拡大画像は参考にする上で必要なのです。
 画像がDLできたら、ひたすらにその画像に似るように作ります。透けてねなどのソフトを使えば、画像を透かしながらモデルを作れるので再現性があがるのでお勧めです。

 VRoidで作っていると、『これは無理だな』という形状があります。特にVtuberさんに多い上着を着崩した肩だしのモデルがVRoidはあまり得意ではありません。作れはしますが…VRoidの性質上薄いので動かくすと違和感が…。
 また、複雑な形状のアクセサリーも難しいです。作ろうとしてるVさんがこういったデザインの時にはうまく妥協することも大切だと思います。Blenderでやる手もありますが、VRoid→Blenderの勉強は労力がいるので..(苦戦中)。
 具体的な対処法として、着崩した上着や複雑なアクセサリーを省いて、その分髪や肌、瞳の塗を頑張るといった具合に、ファンモデルであり依頼ではないので、ある程度は妥協していいと思います。
 私も蒼鷹さんやにじめちゃん、ウルちゃんで上着は省いてます…(なんで、VTuberさんは着崩し肩だし多いんですかね..新衣装で肩をお披露目するという楽しみも(ry)。とりあえず、モデルを作りだしたら妥協してでも完成させるのがいいと思います。下手に完璧主義になると世に何も出せなくなるので。

  こう書くとVRoidは使えなそうに見えますが、立体的なものを作れないという性質は裏を返せば三面図がなくても作りやすいということです。
 まぁ立体的なモデリングが苦手ということはテクスチャでゴリ押すことになりますが、それはそれで面白いのでお勧めです。

6.ファンモデルから依頼

 うるちゃんを作った後に、ありがたいことに3Dの依頼を姚 麗蘭さんから頂きました。
 ファンモデルを作り始めた時はこんなことは想定していませんでしたので、驚きました。
 これを振り返って考えると、VRoid触って依頼を受ける前に仮の実績つくりとしてファンモデルを作るというのは結構いい経験になると思います。自分のできることや自分には難しい塗りなどがわかり、依頼を募集する際の強みをアピールするときに助けになるので。
 また、ファンモデルが本人にRTされると繋がりがあるVtuberさんがあなたを見つけ、新たな仕事につながる可能性があるので、何もない状態よりは依頼が集まりやすくなると思います。
 本音を言うと、依頼では高画質の資料を頂けますがファンモデルでは低画質のjpg資料と殴り合うことになるので。その不足した状態での作品作りを一度経験してもらいたい(苦行)。

まとめ.

 金銭的、技術的、作った後の満足度的にもコスパがいいのでファンモデルを作るというのをお勧めしたいです。ぜひ、(技術的に…)とか(作っても….)とか言わずに、VRoidでファンモデルを作る遊びをしてみようという軽い感じで始めてみましょう!

※おまけは少し暗い内容になっているので、読み飛ばしていただいても大丈夫です。

おまけ.ファンモデルを作る心持


 ファンモデルを作る心持を主観で話します。私の勝手な考えなので参考にすることはないです。
 当然ながらファンモデルはファンアートの一つにすぎません。ただ、ファンアートの主流であるファンイラストとファンモデルを比較すると、イラストはVtuberさんを自身の絵柄で描く性質上オリジナリティがある程度担保されています。対してVRoidでのファンモデルはVtuberさんのイラストを3Dに落とし込む行為であり、イラストとどこま相違なく3Dに落とし込めているかで評価される以上、オリジナルティがイラストに比べて落ちるのではないかと思っています。
 ですので、ファンアートの中でも元データに近い、いわば海賊版を作る行為寄りだなと私は勝手に思っています。

 何を言いたのかというと
 ファンモデルはいわばファンが勝手に作るモデルであり海賊行為に近く誇るべき行為ではない。したがって、Vtuberさんにファンモデルを認知されなかったり、使用してもらえなかったりしても決して居直りしてアンチになるなどはしてはいけません。

 基本的に求められていない、けどもしかしたら喜んでくれるかもしれない物を勝手に作るというスタンスがファンモデル制作では適当かなと思っています。

ファンアートを作ったのに反応されずキレるという事を時々きくので、私の心持を書かせてもらいました。


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