私はどこからきたのか?
生まれた地は、自然の豊かな田舎の町。
緑が多く、川が流れ、星空が綺麗な場所だった。
夜、空を見上げると、とても不思議な感覚になるの。
この広い宇宙の真ん中に立って、「帰ってきた」という感覚。
包まれている安心感。
この世界にいながら、他の世界とつながるイメージ。
多重世界とはよくいったもの。
この世界はもともと1つじゃない。
時間も空間も多元的に存在しなかったら、誰が新しい発想なんて思いつくというの?
それは突然湧き上がった情報ではなく、どこかの世界ですでに叶えられた知識。
そんな全ての宇宙の知識を集めた、図書館が存在するとしたら、あなたは行ってみたいかしら。
私はその図書館が存在する、暗く、光の射さない空間にいたらしい。
夜は友だちで、暗闇は安心できる場所だった。
何年経っても、廃れることのない場所。
今でも時々、深く沈んでいく。
そこは、知識の水であふれながら、だけど、無知を追い立てたりしない。
温かく、それ以上でもそれ以下でもない。
はじめから「知っていた」と思わせる力が、その場所にはあった。
だから、「納得」する。
この世界は最初から完璧で、何ひとつ揺るぎないものだったと。
私が立つのは始まりの場所。そして、終わりの場所。
そのどこでもあって、どこでもない場所。
生きとし生けるものが生まれる前の場所。
終わりは始まり。始まりは終わり。
あなたはどこから来たの?