茄子揚げ炒め
行きつけの町中華で好きなメニューの一つに茄子揚げ炒めがある。
茄子揚げ炒めと聞いて、どんなメニューか思い浮かぶだろうか?
一体「揚げて且つ炒めるとは?」となるに違いない。
今回は、ただこれが非常に美味しい食べ物であるということを
伝えたいためのポストである。
googleで「茄子揚げ炒め」と検索すると
「厚揚げと茄子の味噌炒め」など出てくるが、
私も最初はそのようなイメージしかなかった。
初めて注文し、食した後に、なんと想像力が
欠如していたのだろうかと情けなくなったほどだ。
まず1cm程の厚さにカットされている茄子が本体なわけだが
これがサーカスのテントのごとく見事なストライプになっていて
町中華らしからぬ造形美である。
しかしたまに茄子が標準的な大きさでなかったりすると
普通の乱切りになって出てくる時もあることがまた愛らしい。
いや、これぞ町中華ならではの造形美である。
それが衣をまとって揚げられているわけだが
なんと衣の軽く、そして油切れの良いことか。
粉の配分は秘伝のものと思われるが
おそらく片栗粉が多めなのだと感じる。
揚げ茄子のまわりには少し山椒の効いた
塩気のあるシーズニングが、これまた片栗粉多めな
揚げ玉と一緒に和えられており、
揚げ茄子を揚げ玉をお供に食べるという謎仕様になっている。
一口目の瞬間から、口から多幸感があふれ出るのと同時に
「なぜこの店にもっと早くこなかったのか」
「もうこの世を探してもここにしかないのではないか」
「1人で回しているマスターが急逝したら・・・(不謹慎/失礼)」
と自戒の念を抱くとともに閉店を危惧するほどである。
最大限の褒め言葉として「〇〇は飲み物」という表現があるが
それはたしかに飲み物であった。
しかし言葉通り飲んでしまっては容易に火傷をしてしまう。
熱々であることを逆手にゆっくりと食す他ないことも
また乙なのである。