#5 わたしのじんせい あれやこれ
いつもTwitterを覗かせていただいている、KIMIさんに寄稿をお願いしました。
お笑いや音楽など多方面に造詣が深く、今までどんな人生を歩んで来られたのか気になり、今回の依頼に至りました。noteはやっていらっしゃらないので、以下代筆致します。
結婚するまで実家にいたので(正確に言うと入籍後も半年いた)、ずっと実家のある東京を離れた事がなかった。
「○○って良いとこだよね」「●●って食べ物美味しくて良いよね」と言いつつも、「結局東京が一番良いな」と思っていたので、まさか自分が東京を離れるなんて思いもしなかった。
東京を離れたのは2013年4月、33歳の時。
それまではほとんどの家事を親任せ。学生を終えてからは、仕事をして夜中まで飲みに行って、週末は遊んでの生活をしていた。
家事をほぼせず30代突入というダメ生活から一気に主婦へ。
住み始めたのは、長野駅から徒歩20分程度の住宅街。
長野といっても山の中ではないので、買い物も歩いて5~10分程度のところに何件がある。駅も近いから人は多いエリア。
一人暮らしの経験も無いのに「やってやれない事はない」と思いながら、気づけば家事はそんなに嫌いじゃなくて、料理も得意じゃないが酒のつまみを作るのは割と好きだったり、全く掃除しなくても大丈夫な生活してきた人と住んでるせいか、本当にほんの少しだけ潔癖になった。
それよりも、知らない土地で、物静かな住宅街で、「この世に一人かも」と思う日が続いた。
夜になれば夫は帰ってくるし、休みの日はその気があれば遊びに行ったり2人で飲みに行ったり。
それでも「知らない場所にいる」という感覚は拭えなかった。
それが何となく薄れたのはいつだかわからないけど、ある日急に「ここ良いとこだな」と感じるようになった。
梅雨に入る前はとにかく爽やかで、真夏は日差しが強いけど湿度が低くて。
冬は嘘みたいに雪が積もったり、風に吹かれた洗濯物がゆっくり凍っていくのを目撃したり。
全体的にのんびりした雰囲気なのにメリハリのある気候が向いてたのかもしれない。
あと、私の生活にはやっぱりラジオとテレビがあった。
家事をしながら前日のラジオを聞くのが日常になり、料理しながらキッチンにiPhoneを置いて爆音で聞いてるのを見かねてか、爆音にしなくても良いようにBluetoothスピーカーを買ってもらった。
真夜中にうたた寝から目が覚めた時に2~3ヵ月遅れて放送していた「乃木坂ってどこ?」を見て、「あれ?乃木坂ってこんな面白いんだっけ?」と感じて翌日から1週間ぐらいかけて一気見したり(方法は不問で…)。
余談だが、この時に見たのは斉藤ちはるちゃんが当時使われていたBOOM BOOM SATELLITESが作ったOVERTUREで踊りまくってるやつ。バナナマンと乃木坂メンバーが爆笑しているのも衝撃だった。
そして、TwitterのTLで盛り上がってる番組がどうやらやってないと気づいても、「2か月くらいしたら見れるかな」と思い他の事をする様にもなった。
たまに仕事をすれば、今までなら苦手だなと思いながら嫌々対応していた様な人でも、「人は人」で流せる様にもなった(流せない時もたくさんあるけど)
一番苦手だと思っていた職種で、無駄話も愚痴を言うのも飲みに行くのも楽しい相手も見つけた。
何より、2か月1度会うような状態が当たり前だった相手との同居が、思っていた以上に今まで通りの生活なので、結婚も悪くないなと感じていた。これが世の中の普通と違っても。
気づけば6年。いつ引っ越しても良いようにと近郊の県へ旅行に行ったり、
ここでしか楽しめないイベントも行って悔いはないかもと思いながら過ごしていたある日、転勤が決まった。
自分でもビックリするほど悔いがあった。あれもしたいこれも見たいここに行きたいの連発。
行く先は長野よりもっと知らない福岡・久留米。
「行ってもなんとかなるだろ、なんとかしてきたし」と思いながら引っ越してきた2019年7月。
早速の猛暑、豪雨、希望と違う住宅設備(不動産屋にクレームを入れて収束)、6年間見かけなかった変な虫と一番嫌いな虫。忙しくて中々帰ってこない夫。
色んな相談をしていた友達に、「メガネのシャンプーでメガネ洗ってるんだけど、さっぱりして良いよ」と話した事で、「こいつ鬱になるんじゃないか」と思われていた模様。 いらないものを買ってると感じたみたいで。
これも余談だけど、メガネのシャンプーは本当に良い商品だからメガネユーザーには使って欲しい。 除菌効果もあるのでこのご時世向き。
引っ越してもうすぐ一年。福岡はまだ今のところ観光地というか、自分の居住地にはなってない様な気がする。
冬の薄暗い遅い夜明けや、夏の明るい夕暮れにまだ慣れてない。
また異常に暑い夏が来る。ある日また急にふっと「良いところだな」と思える様になれば良いけど。
恐らくご結婚されたタイミングでフォローさせてもらっているので、気付けば7年も経つのだなぁ、と驚いています。何が7年、というと、出会ってもいないしお互い顔も知らないので、「Twitter上の付き合いが始まってから」と言えば良いのでしょうか。
勝手に「話しかけやすいお姉さん」というイメージを持たせてもらっていて、いつか飲みに行きたいなぁとここ数年ずっと思っています。
ご主人の転勤の関係で長野から福岡に引っ越されたとき、環境の変化や住居のトラブル、物理的な距離など色々と大変そうな状況が見受けられ、少し心配していました。それでも、しばらくするといつもの雰囲気に戻っていて、今でもきっとTwitter上では分からない苦労はたくさんあるのでしょうが、その地で楽しむ力とか、適応能力がすごいんだろうな、と感嘆していました。
私は大学を卒業するまでの22年間実家の埼玉にいて、就職してからは一人暮らしをしてはいたものの、埼玉県内だったため車で1時間ちょっとで帰れる距離でした。ちょっとしんどくなればすぐ実家に帰っていたし、家族とも結構会えていました。
3年目に転勤が決まり、初めて関東を離れて名古屋に住み始めたとき、本当に孤独で。紛れもなく「一人」ではなく、「独り」でした。
そんなとき救われたのが、KIMIさんと同じようにテレビやラジオでした。
自分の半径1メートル以内は、ずっと変わらない。テレビを見ていれば、ラジオを聞いていれば、ここは名古屋ではなく埼玉。
そんな風に自分を励ましていました。
因みに、名古屋では『内村さまぁ~ず』が1年遅れで放送していて、関東に戻ってきたとき1年分見逃しているのが悔しかったのを覚えています。
KIMIさんなら、きっといつのまにか福岡でも楽しむ方法を見つけていて、もし次また引っ越すようなことがあれば、長野のときと同じく離れがたくなっているのではないかな?と想像しています。美味しいお店とかもたくさんあるでしょうし、できれば福岡にいらっしゃる内に遊びに行きたいなぁ、なんて画策してます。
こんなこと言ったことないですが、たまにTwitterで垣間見えるご主人との関係性に憧れていて、結婚してもお互い好きなことはやりつつ、二人でいることも楽しんでいるような感じがとても良いなあと思っています。いいですね、結婚…。
私のnoteを見て下さっているということで不躾にもお願いしてしまいましたが、とても素敵な文章を寄稿して下さって感謝しています。本当にありがとうございました。
このマガジンをきっかけに最近色んな方の文章を読ませていただいて、めちゃくちゃに楽しい日々です。紹介と言いつつ、自分の文章が長すぎてしまって申し訳ないのですが。
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#エッセイ #コラム #わたしのじんせいあれやこれ