第三少女飛行隊から憶測するフレンズ問題について。あるいは宇宙よりも遠い場所という作品から得た希望
私的2018年最高のアニメは、「宇宙よりも遠い場所」、@teitei_tkです。見ていない人はAmazonPrimeやdアニメストアでもあるから今すぐ見ような。
この記事は
SHIROBAKO AdventCalendar 2018 12/7の記事です。
今回はSHIROBAKO、第2クールで作っていたアニメ、第三少女飛行隊からでも一つのテーマに上がっていた、原作ありアニメの権利問題について憶測の域で物を言う記事です。
「現役アニメーターの嫁氏が語る、SHIROBAKOのリアリティと現実との違い。」という記事も考えましたが、これは来年に取っておこうと思います。
モノづくりの現場より
SHIROBAKOという作品はとても好きで、どれぐらい好きなのかというと、もし異世界に転生するなら武蔵野アニメーションという会社がある世界に転生して、りーちゃんと一緒に資料集めをしながら、3Dグラフィックをやって、みゃーもりと一緒に仕事をしたいぐらいには大好きです。
その中でも14話という話数は結構好きで、それが何故かと考えてみたのですが、SHIROBAKOは人生だからなのかなと思います。
人生とはなんぞや。という話ですが、人間ドラマであり、人生を生きていく上では時には清濁併せ呑むことが必要かなと思います。
SHIROBAKOは人生で、いろいろ"人生だ・・・"と、思うシーンはたくさんあるのですが、ここではアニメづくりの現場とお金の出資者という両方の立場が顕著に現れた14話のときの公式のTweetを見てみましょう。
SHIROBAKO 公式Twitter
堀川憲司さん(P.A Works代表)
10年以上社会で働いていますが、よく「大人の都合」という言葉を目にします。
大人の都合という言葉は良くない印象がありますが、自分は必ずしもそうではないのかな。と思っています。
自分はソフトウェアエンジニアとして、ゲーム、B to B、検索サイトと、いろいろなソフトウェアを作ってきましたが、その中で「大人の都合」という言葉が出てこなかった現場は一つもありませんでした。
その中には本当に、本当にくだらない理由もありましたが、ビジネス上、あるいは所属している会社にとって必ずやらないといけない事もありました。
モノを作るというのは楽しいことですが、エンジニアリングとは現実の問題を解決するためのアプローチであり、そのためにはお金だったり、政治だったり、人間関係だったりと様々なものがつきまといます。(本当にそれがいいことなのかはさておき。
そういった大人の都合が描かれていたのもSHIROBAKOという作品の魅力だと思います。
第三少女飛行隊から憶測するフレンズ問題について。あるいは宇宙よりも遠い場所という作品から得た希望
14話も好きなのは、モノづくりの現場としての言葉を代弁してくれたところでした。
『政治的なキャスティングはバレます。作品にプラスになることはない、絶対にです。
鈴木京子さんの経験不足も理解できます。
その時は…私達が育てればいいんですよ』
このようなきれいな言葉が現実社会として通るかは、昨今のフレンズ問題が証明してくれたのかなと思います。いろいろと断片的に流れてくる情報だけで嫌になりましたが。
ですが、きれいな言葉が通らないかと言うと、そのような事だけではないと思っています。
その一つが「宇宙よりも遠い場所」という作品だったのかなと。
自分のビジネス的に、大成功を狙って作った作品ではないんですね。売れなかったらそれはそれで仕方ないという感じでした。ただ自分たちが作りたいものをきちんと作れたので、作ってよかったと思っていました。そうしたら意外と大きな反響があって、「作ってよかったな」が「作ってよかった!」になりました(笑)。その意味では、すごく意外な成長を遂げた作品ですね。
先ほども少し触れましたが、売れるタイプの作品ではないはずなんですよ。結月というキャラクターが象徴的で、アイドルであるはずの彼女をちゃんとした萌えキャラにしなかったんですが、かわいいと言ってもらえました。他にも人間の黒い部分を掘り下げているとか、本来の放送枠としてはやってはいけないことをたくさんやっているんです。それでも「良い作品だった」と言ってもらえるのが、とてもうれしかったですね。
なおかつこの作品は、スタッフにとても愛されました。「やっていて楽しい」や「続きが見たい」といった声を多く聞くことができましたし、確認の段階では作っている自分たちが泣きながら見ることもありました。そういう現場って実はなかなかなくて、それだけでも作ってよかったと思える作品です。
この作品は、物凄く大ヒットというわけではないと思っています。自分の周りの人でも知る人ぞ知る作品という作品で、とても面白かったですし、登場人物の骨太な人間ドラマがSHIROBAKOと通ずるものがありました。
この裏でSHIROBAKOの様な人間ドラマが合ったのだなと思うと、ますます感慨深かったです。
ビジネス的にも大成功を狙ったというわけでも無いみたいですが、New York Times 2018 ベストテレビ賞でも選出されたようで、クリエイターが命を削って作り上げた作品が、ビジネス的に大成功を狙った作品でなくてもきちんと評価がされるという、自分の中で救われた作品の一つでもありました。
「宇宙よりも遠い場所」脚本・シリーズ構成の花田さん
いろいろと語りたいことはあるのですが、長くなるので割愛すると、アニメ業界に置かれましては、円盤以外のビジネスモデルを確立してもらいたいなと思う今日このごろです。
というわけでみんな、SHIROBAKOも、よりもい(宇宙よりも遠い場所)も見ような。若おかみは小学生!もおすすめだぞ。