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嫌いという感情について | オオタミユキ
小さい時から感情のはっきりした性格で
よく笑い、よく泣き、よく怒る子だった。
「嫌いなものは嫌いだ」と言ってよく親を困らせていたと思う。なんて手間のかかる子だったんだろう、と申し訳なく思う程に。
きっと私は好きより嫌いがはっきりしている。
大体のことを好意的に受け入れるので”好き”が曖昧だとも言える。
おいしい、たのしい、心地が良い…
ポジティブな感情のハードルがとにかく低い。
何をしてたって大体は「しあわせだな」と思っている。布団に入り、いつ寝ても良い状態に出来上がった瞬間は「布団がふかふかで最高!幸せ!」とかなりの頻度で思っている。
人生が楽しそうで良いことだな…
我ながら能天気で呆れてしまう。
幸せを感じやすい分、”嫌い”の感覚が鋭くなっているのかもしれない。
熱を帯びた携帯電話
風の流れがない空間
窓のない部屋
音と音が重なる不調和
自分への執着心
”嫌い”の種は違和感で
「ちょっと違うかもな/合わないかもな」という直感は、見て見ないふりをして、はぐらかしたところで時間が経てば順調に成長して回り回って”嫌い”になる。
学生の時は、環境が変わるタイミングを待つことしかできず、うちに秘めた”嫌い”を押さえつけて、なんとかやり過ごしていた。
社会人になると行動に責任を負う分、自由を得るのでどうにかこうにか幸せに生きる方法を模索できる。
でもまあ大人なので「嫌いだ〜!」と
好き勝手できる訳もないけど。
嫌い、苦手、不快
鋭く、ざらっとした質感を突発的に感じることは気持ちの良いものではないけれど、
その時は苦しくても、噛み砕いて消化して
取り込んでしまえばこっちのもの。
それを経ている自分とそうでない自分は違うから。
”嫌い”に向き合うことにしている。
どこかの恋愛系コラムニストが言ってた
「好きより嫌いが合う方が長続きする」
ってのは案外そうなのかもなあ…と
この文章を書いていて、なんだか腑に落ちた。
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酢橘堂 店主
京都にてセレクトショップ酢橘堂を営む。
ほかは空間作り、撮影、執筆活動なども。
最近の楽しみは休日に二度寝すること。
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