年収提示の高いエージェントを選んではいけない【転職ベストパートナーの選び方】

「こっちの転職エージェントの方が高い給与で交渉してくれそうだ」

こう思ったことはありませんか？

同じポジションなのに転職エージェントAは1,500万円、エージェントBは、2,000万円が可能だと言っている。じゃあBから応募しよう！こう考えるのが人情だと思いますが、それは本当に正しい判断なのでしょうか。もしかしたらAの方があなたにとってベターなパートナーになるかもしれません。

今回は、転職をお考えの方向けに失敗しない転職エージェントの選び方について解説します。

エージェントによって提示金額が違う理由

そもそもなぜ同じポジションなのにエージェントによって提示金額が違うのでしょうか。理由は以下の三点に大別されます。

高い金額で釣ろうとしている

企業が絶対に出せない高い数字を言うことで、あなたを釣ろうとしているエージェントも存在します。こうしたエージェントはスキルも低く、転職のパートナーとしてはお勧めできません。私が「年収提示の高いエージェントを選ぶのは必ずしも正解ではない」と主張する主な理由はこれです。

また、このようないいかげんなエージェントは、自分が取引のないポジションや会社を紹介してきたりと、付き合っていて百害あって一利なしです。

あなたの経験で可能と思われる数字を出している

例えば、あるポジションの給与レンジが最高2,000万円だったとしても、経験によってはそこまでいかないこともあります。エージェントの中には、あなたの経験だと1,800万円くらいではないか？と当たりをつけて紹介する人もいます。対して、別のエージェントはあなたの経験度外視で、純粋に最高値である2,000万円と言ってくる。こうしてどちらも嘘をついているわけではないものの、「エージェントによって提示が違う」という現象が起きます。

私がお願いしたいエージェントは圧倒的に前者のエージェントです。浅い考えで「2,000万円にします！」というエージェントよりも、「あなたの経験だと1,800万円くらいの可能性が高いけど、それより上になるよう一緒に頑張りましょう」と言う人の方が、凄腕であることが多く、結果最高値のオファーを得られる可能性が高いことを、色々なエージェントを見てきて確信しているからです。

情報がない

中には予算を提示しない会社もあります。「佐野さん、○○の要件に合う人であれば、金額を気にせず紹介してください」という依頼もしばしばです。以前は本当に気にせず、給与が高い方をご紹介して、給与が理由で見送られるという理不尽に憤っていましたが、最近は、おおよその当たりをつけて、「これくらいの金額になる可能性が高い」と自分の予測を伝えることが多くなりました。

他のエージェントでもこのようにしている方が多いと思うので、それぞれの提示金額に差異が出るのが自然です。

どのエージェントを使うべき？

結論として、提示年収をエージェント選びの基準にするのはお勧めできません。むしろ、年収提示が極端に高いエージェントには気を付けるべきです。

上述した通り、「年収提示の高いエージェント = あなたにベストな待遇をもたらすエージェント」ではなく、また、いたずらに高い年収提示をしてくるは、よくわかっていない可能性があります。当然、理解が浅いエージェントにいい仕事はできません。

提示年収が極端に上にも下にも振れていないエージェントの中から、自分が信頼できる人を見つけることが肝要です。仮にそのエージェントの予測するオファー金額が他より多少見劣りしても、腕のいい人であれば、結果は可能な範囲の最高値に収束します。

今回の記事が、みなさんを表面的な数字の誘惑や、倫理観のないエージェントの罠から遠ざけることを願っています。