サイクリストにとってケトジェニックダイエットは効果的なのか。
こういった研究は日本はまだ後進国で、日本語の情報が圧倒的に少ないです。そんな数少ない日本語の情報も明らかに間違っている事が多々あります。それは翻訳のミスによるものや、理解力不足によるものだと思われます。
例えばダイエットという言葉。日本語にするとどういう意味だと思いますか?痩せる為にする運動や食事法と認識することが圧倒的に多いと思います。しかし、もう一つ、単に「食事法」という意味も持っています。この辺りの使い分けはかなり重要で、スポーツ栄養学にあたって使われる「ダイエット」という言葉は後者であることが殆どです。つまり、パフォーマンス向上を目的とした食事法と言えるでしょう。
では件のケトジェニックダイエット。言い換えるならケトジェニック食事法とするといいでしょうか、これはまず何なんでしょうか。ざっくり言うと、糖質を極端に減らし、脂質をケトン体に替えエネルギーにしやすくする食事法です。
この時点で、サイクリストには向かないことがすぐにわかるでしょう。糖質はエネルギーに替わりやすいですが、脂質は消化に時間がかかります。そして、サイクリスト向けのエネルギージェルなどは主に炭水化物、糖質で作られています。しかし、日本語で、サイクリストにはケトジェニックダイエットは効果的である、海外のチームでは行われている、という内容の記事を拝見しました。
海外の著名なスポーツ栄養士は、はっきりとケトジェニックダイエット、つまり糖質を減らし脂質を増やす事は弱くなりたいのなら効果的である、とまで言っています。しかし、ケトン体を摂取する事は効果的である、という結論になっています。さて、ケトン体はケトジェニックダイエットを行うことで生成されるんじゃないの?とお思いでしょう。ケトン体は飲料等から摂取する事で体内で効果的に働かせる事が出来るのです。これが前述のダイエットの解釈の違いと共に起こった勘違いの原因でしょう。
僕も英語は得意な方ではないので、かなり精査して読みましたが、こういう勘違いは栄養学だけでなく、至る分野で起こっています。
ヴィーガンの話についても通じますが、現在公開されている情報をしっかりと読み解く為にはやはり専門的な知識も必要になってくるので、そういうバックグラウンドのない人達は少しばかり口を噤むことをおすすめします。