【掌編400文字の宇宙】移民

　私の曾祖父や、祖父の姉は布哇や伯剌西爾に移民した。なので移民と言う人たちとは無関係ではない。私の妹も亜米利加にいる。

　すごく便利な店、二十四時間開いていて欲しい物はほぼ手に入るチェーン店に行くと移民のひとたちがいる。

　無関係ではないので、よく話しかける。○○○さんというのは、どちらの国の方ですか、と。

　ミャンマー。ネパール。

　ホテルのクロークでは、インドネシア。

「日本語を勉強しにきたのですか」

「はい。まだ下手ですが。日本語学校に通っています」

「ネパールは仏教徒ですか」

「え？」

「仏陀を信じていますか」

「はい。でもわたしはヒンドゥーです」

「そうですか。勉強がんばってください」

　ネパールは仏教ではないのか。生まれ故郷なのに。

　１５年ほど前に東京で派遣社員をやっていた頃、インド出身の青年が職場に来た。おそらく、物凄く頭がよい人だったのだと思う。

　金持ちになりたい。ベンツに乗りたい。と言っていた。

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