【掌編400文字の宇宙】男たちへ
男たるもの、まずは女の扱いに長けていなければならぬ。
これらと口喧嘩をして百戦三十三勝六十七敗を目途とせよ。勝率がこれ以上下回れば男失格。しかしかち過ぎてもいけない。
口は基本的に女の方がうまい。始終喋って倦むことがない。性別的に男の方が圧倒的に膂力はあるので一発殴ればそれで済むが、それをしたらおとこの負けである。半永久的に蒸し返されるし、これを絞め殺したところで末代まで祟られる。
家の女を相手に腕を磨く。論争に継ぐろんそう。怒鳴ったり宥めすかしたり、ワンピースや宝玉、香水、モンブラン等を与えたりする。こうして円満な関係を保つことが何よりも重要である。
おんなは訳のわからない筋の通ったことや、わけがわからない筋がとおらないことなど色々なことを言ってくる。情報ソースも明らかにしない。
金もかかるが、しかし何より大事なのは気持ち。それから言葉の力である。これらを磨き、鍛えて対処するのである。