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【連載小説 短篇予定】美の骨頂㉕能登の原子力発電所その名はBOSATUS

 ノット半島というと、2023年の呉、あけて2024の大地震が記憶にあたらしいわけですが、

「これちょうどよくね? 住まうとちじゃないので最後は金目」

 という不幸(復興)大臣の鶴の一声で菩薩という原子力発電所の新規建設計画が、けいかくされました。

 というのはうちの作品の設定です。ちかくにモンジュもあるし、アリエール、みたいな。

 まず、うちの脚本はおとうに頼みました。出来上がったのを読んでこれを破り捨て、チゲ鍋に入れてスタッフ全員で食べました。ポン酢で。

 そして沸き上がった構想がこれでした。

 モンジュにやぶれた二人のエリート。

「おまえ、これからどうするんだよ」

「わたし? 実家に帰るわ能登に」

「じゃあおれもゆくよ」

 というわけで結ばれたふたりは子どもを創る行為をしてじっさいできて大わらわ。生まれた子は、天才。

「あめつちとけじゅてけんやさいのかはらはいまやげきあつ」

「何か言っているわ」と母。

「うん」と父。

 母乳行為。

 猫よこぎる。

「カット! オー・ケー」

 とうちは言いました。この猫つかえるわ、と思いました。しゃべるし。

「ちょっとねこ来て」

 猫がきました。

「つぎ、どうしようかな。あなた交尾できる? これ結局南極AVだからさ」

 両手を交差。NGとゆう意味でした。ペロペロ、猫舌。

「ん、まって。今まで性行為撮影したっけ?」

「えーっと、シテません」とED(エレクション・ディレクター)。

「どうしよう。まあ、いいかな」

「いいと思います」とED。

「とにかくうちは、リアルを追及してるから。リアルに、リアルを。カメラの前で起こったことだけを記録して!」

 カメラマンのジャスティスは休憩中で、そのED(エレクション・ディレクター)の達磨が廻し続けていました。

 鹿児島から来た漁師がかるかんを差し入れしてくれたので、そのまま男優として出演できないかと交渉したところバイアグラが切れているので無理ということになり、ではジェネリックなら、というと「とてもとても」と断られました。

 勃起するという感覚がうちにはわかりません。男優の年齢制限は下げるべきだと思います。女優は別に幾つでもいい。穴があいてればいい。

 男というのは、こう、イザとなると中々たたない。深刻な男優不足。

 おとうにも打診しましたが「たつかアホ」と一蹴。

 情けない。銃後の守りもやりがいがない。帝国はどうなるのやら。

 女優の卑弥呼(桃子)が暇そうです。旦那役の阿弖流為(アテルイ)も全然勃起しない。

 あながあるのにたたないってどういうこっちゃ。情けない。

 このままでは、この戦争、かならず敗けます。

本稿つづく


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