【首里八千景】死を見る、過去と現実と未来を幻視する
私の育った町は、町というかその4丁目には商店がいくつか。大きな墓。弁ヶ嶽。隣接する南風原町には広大な墓地、ごみ処理場(捨て犬猫殺処分施設)、三つか四つの新興宗教の施設。精神病院。
ごみ、死体(骨)、願い、狂気。いわゆる陰を受け入れる地域であった。おわりの地でありはじまりの場所。ごみは再生され、魂はいきはじめ、願いは未来を想い、狂気は創造を孕んでいる。
有害物質、悪霊、怨念、精神異常者たちが行き交うその場所で、私はすくすくと育ち、暗い性格で、出不精で、どこにでもいる中年太りの男性に転生した。
死ぬ前にもう一度行ってみたい町、というか4丁目である。