【掌編400文字の宇宙】I am not Somebody
眠る前に調度いい話をする。
死ぬ、いなくなるというのは自然の摂理である。どんなにすばらしい人物も、美しい肉体も、圧倒されるような美そのものも、必ず消えてなくなる。
永遠というものはなく、あるのは今だけである。喜怒哀楽、生老病死。泣いても笑っても時は必ず過ぎる。川のように。繰り返す。どんなに即興を繰り広げようが、ぜんぶ、ぜんぶ流れてなくなる。
全然悪いことでも悲しいことでもない。
悪いこと、悲しいこともすべてながされてゆく。吐き出すとかはきだせないとかにかかわらず、わたしたちの全身をひたして、ぜんぶが無くなる。
良いとか悪いとかに関わらず。
巨大な吸引にすべてぜんぶ、悉皆吸い込まれてどこかに行く。
似た世界がある。ああすればよかったこうすればよかった。イメージというか願望。しかしそれらも含めて根元から最悪の現在から最善の未来まで、思いつく限りの想像には何の意味も無い。
何にも意味はない。
#掌編400文字の宇宙
#I am not Somebody