【特別企画 夏の怪談】名護のアクセルとブレーキ④
ちょっとどんな話だったのか、寄り道も多いし時間もあいて、書いている人もわからなくなっているので、下👇のあらすじを読んでから、読んでください。
名護の許田(きょだ)あたりから世冨慶(よふけ)あたりまで、今は道路も整備され、すいすいだが(日中渋滞はする)、むかしは名護の七曲りといって海岸線のワインディング・ロードであった。くねくねしていたのである。
なのでスピードは出せない。なのに車はどんどん、スピードを増していく。
「おまえ、飛ばしすぎだぞ」と助手席の男がいう。
どうしたの。という感じで後部座席から二人が顔をのぞかせる。助手席の男の顔を見る。助手席の男は、おどろいた顔をしている。
「どうした」
助手席の男が運転手に言う。というのも運転手は顔面蒼白で、びっしょり汗をかいている。
「した。足、みて」
と運転手。スピードは危険なほど。次のカーブで海に飛び出してしまうほど上がっている。
なんだなんだ、と三人は足もとをのぞくが、暗くてよく見えない。
「あ、足をつかまれている。アクセルからうごかない」
「ブレーキ、ブレーキふめっ」
「ちがう。両足をつかまれてる」
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と、ここでNKの話はおわった。
JMR(J・ミステリー・リサーチ)的にいうと、この話は、ちょっと信ぴょう性に欠ける。結末がよくわからないし、当事者からの伝聞でもなさそうである。構造的にいかにも、ほんとにあった怖い話っぽい。要するにうそくさい。
で、どうなったのだ。と聞くと、NKは「サイドブレーキが……」どうのこうのと、むにゃむにゃと有耶無耶にする。
やはりさっきの「ブラウン管の鬼」のほうがクォリティが高いな、とみんなが思った。
それでお開きになるのかと思いきや、「大アカギにいこうぜ」というNFKの提案で、この夜の恐怖はまだまだ続くのである。
ちなみにNFKは「ブラウン管の鬼」の話をしたMBの親友で、お父さんは小学校の校長先生であった。親友とはちがい霊感はまったくなく、内地の大学進学後、結構大きなヤクザの組長の娘と付き合って、親にも気に入られ、結婚するかと思いきや別れ(本人によるとフったらしい)、その後フーテンのパチプロになり、10年間ぐらい連絡が取れない時期があった。
それはどうでもいい話であり。
私たち(高校生の頃のね)は首里の夜、ぬばたまの闇の中に抜け出て、こそこそ、きゃいきゃいといいながら、金城町の大アカギに向かったのである。
つぎの話は伝聞の怪談というか、怪談の伝聞というか、そのときに実況された、アイ・エヌ・ジー的な、ミステリー・リポートである。語り手はRRR。女で、マネージャーである。この女もまた霊感がある。
ていうか霊感がある人おおすぎ。
本稿つづく
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