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【特別企画 夏の怪談】名護のアクセルとブレーキ③

 そのユタ買った友人のことは、仮にGGGとしておく。GGGと私は小学校低学年からの付き合いで、ファミコンをしによく家に行っていた。仏壇の遺影を見ると、不思議なきもちになった。詳細ははぶくが、ちょっと複雑な感じであった。

 GGGが小さなころ、GGGの兄が発熱した。病院に行くと風邪だろうということで薬が処方された。のんでも治らない。むしろ発熱する。病院に行くとインフルかもしれないということで検査がされた。しかしそうではなかった。発熱は続いた。死ぬんじゃねえかと思われた。三度目に病院に行ったとき、医者は、こんなことは西洋医学的にはあれなんだけど、ユタに相談したら、とアドヴァイスをした。

 ユタが買われた。ユタというのは地域に何人かいるし、幼馴染の母親もユタだった。どのユタが買われたのかは不明である。

「あー、はいはいはい」とユタは言った。「北北東に井戸があるね」と言う。敷地内に、行ってみると確かに井戸があった。忘れていたというか、誰も知らなかった感じ。

「あのねえ、井戸っちゅうのは、ほったらかしたらダメ。ちゃんと管理するか、でなければ埋めなさい」とユタは言った。井戸にお参りをして、いちおう短期的に鎮めた。

「ごちそう作りなさい」とユタは命じた。昆布とか豆腐とか蒟蒻とか、豚肉と、そういうご馳走である。GGGの母は作った。

「できた? はい、じゃーこのご馳走を、いつもつかってるごみ捨て場に行って、ぜんぶ捨ててきなさい」

 とユタは言った。GGGの母はそうした。

 家に戻ると、「うりうり」とユタが言った。うりうり、というのは語訳すると「ほらほら」「ほれほれ」みたいな感じである。

「白い蛇が出ていくさ」

 とユタが言った。GGGは、その白い蛇を見たそうである。

 蛇がいなくなると、GGGの兄の熱は下がって、普通に戻った。

 JMR(J・ミステリー・リサーチ)的にいうと、この話は本当だろうと思われる。

 

本稿つづく

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