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【連載小説 中篇予定】愛が生まれた日㊸かわれるものならばAIに全てを任せて私はアヘン窟に行きたい、それが最適ならば

「ルック」

 とクリトリス・ブラックの声。

「うん」とフェラチオ・グッドマン。

「ライク・亜・パーティ・トゥナイト」

「いぇあ。It's party night.Like,like a…」

「Virgin load」

「Yes,huney」

「OMG.Fuck!」

「Hahahahaha!」

 見るとクリスは右に、グッドマンは左に並んでいた。

 芳彦は正上位で挿入しながら、背中を丸めて、乳首を舐めた。
 抜けるように色の白い乳肌からは青い血管が透けだしていて、その項に舌を走らせる。
 強く舐めたい気持ちを抑えて、柔らかさを保ったまま舌を這わせていると、それがいいのか、
「ぁああ、気持ちいい。ヨッちゃんの舌、すごく気持ちいい。柔らかくて、ぞくぞくする……ああ、欲しくなった。あそこにガンガン欲しい」

『湯けむり若女将』第三章 姉妹は幼なじみ 連載㊾(日刊ゲンダイ 2024年8月1日)

「だけど、この、あの子の父親はお前なんだろう?」

 と西村四郎(病理医、48歳)の声。

「結局南極バイなんじゃねえか。だれでもいいんだろう。気持ちがわるい」

「いや、ちがう。やめてよ」

 ゆきむらゆきひこ(ユキノシタの夫 たぶん赤ん坊の父親)が悲鳴のような声を挙げる。

「四郎さん!」

「静かにしてくれ」

 おれは雪美の焼き飯を食べ終わって、立ち上がった。

「静かに」

 元気充分。糖分が頭にまわり、そのあと全身に漲った。

「もう結構!」

「そうだ。いい加減にしろよ」とウィリアム(婚活ガチ勢 42歳)「みんな自分勝手なんだよ。静かにしろよ!」

 おれはウィリアムに向けて人さし指を立てた。静かに、という意味。

「お金、かえしてほしい。だって…」とメイ(パパ活女子 24歳)。

 メイを指さして、その指を口元に立てた。静かに。つべこべ言うな。

 夜もだいぶ更けた。テレビではずっと緊急生放送。犠牲者の数は時を追うごとに増えているようだ。

 すっかり陽の沈んだ外には赤いランプが反射している。

 海峡、流れのはやい海峡。かつて安徳天皇が幼いながら沈んでいったといわれるかいきょう。

うみのそこにもみやこはあります

 と、そう誰かが言ったらしい。

 あるわけねーだろ。と思うが、すめば都ともいうし、類を横断すればそれもあながち間違いではないのかもしれない。

 どちらにしろ、一度は死ぬけどね。

 死ななないものはない。消えないものはない。

 これは仕方がないことである。

本稿つづく

#連載小説
#愛が生まれた日

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