【掌編400文字の宇宙】タイムスリップ(過去に)して会いたい人がいないわけでもないが(亜細亜篇①)
李白に会ってみたいとは思うが、酔っ払いの世話をさせられそうで嫌である。上から下から漏らしてその後片付けなどやりたくない。ぶつぶつ詩を百篇ほど一瞬で作るので、その口頭筆記もさせられそう。。。
杜甫は、多分性格が合わないような気がする。
蘇東坡には会ってみたい。手製の東坡肉をたべて、酒をのみたい。でも向こうのほうがずっと頭がいいので、退屈させてしまうと思う。そもそも身分が違うので会えるわけがない。
孔子に会うのは怖い。口もきいてくれないだろう。万が一お話する機会があったとして、私は宰予の昼寝の件で「昼寝ぐらいいいんじゃないですか」と反論しそうである。きっとめちゃくちゃ怒られるだろうと思う。
漱石にお会いしたら「則天去私」というのは変だ、と申し上げるだろう。黙れ小僧、と言われそう。
小山清に会ったら「あんまりくよくよしないでくださいよ」とか要らないことを言いそう。
寺田寅彦の話は聞いてみたい。