【掌編400文字の宇宙】大失敗
スタニスワフ・レムの『大失敗』という小説を読んだことがある。読むのが難儀な作品だった。
テーマは未知なる、異質な生命体との出会いである。レムの作品にはよく出てくる。というか、このテーマしか描いていないのではないか。レムは、なんで小説などを書いたのだろうというぐらい頭が良かったので、当時(東西冷戦)の状況に絶望していた。そのうち地球は滅亡するだろうと考えていたと思われる。その予言が当たるのかどうかはまだわからない。
本作は遠い星の探査の様子を描いており、科学的(当時想像しうる範囲で)に有り得るように書いているので、正直三分の一ぐらいは、素人には何を言ってるのかよくわからない。しかし、巨大ロボットなども出てきて、作者なりに楽しく読めるように書いている。
オチはタイトル通りである。難儀しいしい読んで、最後のさいごで、思いつく限りもっともしょうもない理由でタイトル通りになる。
なにこれ。となる。
◇参考
『大失敗』(スタニスワフ・レム 国書刊行会)
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