見出し画像

【妻世話①】湯けむり若女将

  昼ごろ、毎日妻の世話をしにいく。いろいろと世話をするわけだが、最近は文章の読み聞かせも行なっている。

  現在集中的に行なっている題材は日刊ゲンダイ連載中、霧原一輝先生『湯けむり若女将』である。今は第二章「女社長 玲奈」となっている。

 今日朗読したのは連載19回。霧原先生の文章は巧みで、描写に何より感心する。

  場面は個室についている温泉、すでにことに及んでいる。主人公・芳彦は父が経営していた温泉宿を、サラリーマンを辞めて継いでいる。というのも父が急逝したからである。折柄あまり景気はよくない。ここ数年はコロナもあった。

 というわけで芳彦は女社長(36歳、美貌、態度高慢)から融資を受けるべくネゴシエーションしているわけである。

 今回、感心したのは以下の文章。ク○ニをしている。

 芳彦はお湯の中を近づいていき、翳りの底に顔を寄せる。モズクのような繊毛から、しずくが垂れている。

 芳彦は右手の指で肉芽の上を引きあげる。包皮が剥けて、本体が転げ出てきた。
 おかめみたいな顔をした本体が充血して、舌を欲しがっている。

  おかめ?

  妻とふたり、ゲラゲラ笑った。続きが楽しみである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?