【掌編400文字の宇宙】孤児たちへ
これまで私は、何人もの孤児たちを見離し、見失い、自然の流れにまかせてしまった。
親に愛されなかったもの、おやに恐れられたもの、親に殴られたもの、産みのおやからこの世にあるまじきことのはを吐かれたもの。ひとりきりのものたち。たくさんの。片手で数えられるほどの。
いま、あなたがたは何処に居るのであろうか。
ひととまともに受け答えのできないもの。猜疑心の塊のようなこども。家出や万引きを繰り返すもの。
いまもまた同じなのだろうか。
ある夜、私は夢のなかで大きな、おおきな仕組みに向かって、
「一度こわれたものは、もう二度と元にはもどらないのでしょうか」
と問いかけた。
答えは無言だった。
巨大な動き…
混沌としているが、しばらく見ていると、規則があり、原理があることが分かる
私の問いに答えるものは、ここにはいない
いないというよりも、いないも同然で、いることはいるのだが 私には見えないし、聞こえない