【掌編400文字の宇宙】空如流水
色即是空(しきそくぜくう)という言葉はきらいだ。
そんなこといわれなくとも分かっている。余計なお世話だ。いろはにおへとちりぬるを。だから生きているのだ。
空即是色は、好きである。くう。そら。から。あ。
この「空」という字がすきなのである。
すい。みず。にょ。ごと(し)。
りゅう。る。なが(れ)。
首里という地名は、すいとも読む。おそらく漢字(感じ)は関係なくて、すい→水というのが元々の呼び名だと思われる。土地の。
というのも水が豊富だからである。それも良質なみず。
石灰岩の積層が関係している。このせきそうを経めぐって水が上下するのであまみずが濾過される。そしてあちこちから漏出するのである。
似たような土地に浦添(うらそえ)という所がある。ハクソー・リッジ(映画)の舞台になったところである。首里よりもさらに古い城がある丘と急峻がある。
米軍はここで多数の死傷者を出した。日本兵もそうである。