【連載小説 短篇予定】美の骨頂㉗Deep State is exist in our Memory or D.N.A
うちらの常識ではニュートン以降、物体は地表にはりついています。引っ張られています。
しかし、今、この、ジャッキーは一瞬ではありますが、この原理に反して、浮いていました。
「おとう」
とうちは言いました。
「ジャッキーが浮いてた」と。
「そりゃあそうだろう」とおとう。「ねこというのは水といっしょ。どのような隙間であろうと入り込むし出てゆく。小石を池に投げたら水滴が浮く。これといっしょ」
成程。
おとうは競馬中継を見ていました。馬が走っています。サラブレッドは地を蹴り、前へ前へ、浮遊と駆け足を繰り返しています。
ニュートンが観察したのは林檎です。いわゆる実。
でも、そうではない生命体もこの地球上にはあふれています。それらと引力の関係性とは?
また、魂のモンダイや記憶、伝達、情報、伝説、説話というのもあります。あるいは意志、目的や目標。螺旋形の進路。
これらもまた地表に張り付いたままでいるのでしょうかいつまでも。
特に重要なのは「記憶」と「情報」です。
これらはすでにもう重力から解放せられ、宇宙空間に放出されている。そうではないと話がおかしくなる。
そして、これらを理解しようとする別の集団は必ずある。反重力の意志と、それを完璧に理解している存在。
はて。それが猫なのでしょうか。
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