【映画】『ザ・ホエール』私が禁煙をやめ、再喫煙するようになった映画

　２０２３年（去年）の４月か５月に、妻とだったかな、パレット久茂地にある映画館で『ザ・ホエール』を観た。

　ちなみに２０２２年（おととし）のゴールデンウイークに妻の実家に帰省して、その帰りに煙草が切れたので、そのまま煙草をやめた。

　高いし、吸うとこもないし、吸っていると社会から白い目で見られるし、もういやになって３０年ぐらい吸い続けていたのをやめたのである。結構簡単にやめられた。私は意志の力が強いのだな、とそのとき思った。おまへ（自分）見直したわ、やるじゃん、みたいな。

　一年近くやめて、２０２３年（去年）の４月か５月に、妻とだったかな、パレット久茂地にある映画館で『ザ・ホエール』を観た。

　なんだかすごい映画で、主人公（男）が異様に太っている。家から出られないくらい、病的に太っている。過食症で、死のうとしている。トイレに行くのも歩行器が必要で、用を足すのも一大事。そのぐらい太っている。

　男には娘がいる。妻とは離婚している。原因は男の浮気・不倫。この浮気・不倫も構造的にすごく複雑なのだが、伏せておく。

　男は大学で国語（英語）を教えている。太り過ぎているのでリモートで教えている。家から出ない。テーク・アウトのピザとか、そんなものを大量に注文して、仕事が終わると大量に貪りくう。

　男の娘が訪ねてくる。不機嫌な娘。裏切者、自分を見捨てた父を憎んでいる。男は自分の娘に、国語（英語）の才能があるのを見抜いている。しきりに書くことをすすめる。娘は「は？」。シラネーよ、みたいな感じ、態度。

　男は太り過ぎていて、病気なので、看護師（アジア系の女）が訪ねてくる。この看護師というのは、友人でもある。看護師（アジア系の女）は喫煙者である。男にいろいろ説教して、バルコニーに出て煙草を吸う。この、吸い方がじつにうまい。うまそうに吸う。疲れた顔で煙を吸い、けむりを吐く。

　ああ、むまそうだなあ。と私は観ていて思った。しかも映画も面白いし。

　映画を観終わって暫くして。私はふたたび煙草を吸った。コンビニの喫煙所で。コンビニで買った煙草を。ある日の朝。

　まあ、うまいな。という感じ。

　それから一年余り。まだ吸っている。