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【読書記録】「アルジャーノンに花束を」ダニエル・キイス

割引あり

方々で名作と言われる。まごうことなき名作である。設定の妙はもちろんだが、この本で唱えられている話と自分の現状を比較せざるを得なかった。

これを書いている今、私は研究室から足が遠のいている。日が出てしばらくしてから眠りにつく生活が常態化している。人とは生活リズムが後ろにずれているだけと自分には言い聞かせているが、研究室の湿度を言い訳に最近は他人とさほど変わらない時間に帰宅している。もちろん登校は遅い。布団から起き上がることはできるが、起き上がってからスマホのアラームを止めて、そのままスマホを漫然と眺めてしまう。気づけば1時間、2時間と過ぎている。同期の中では比較的時間に追われる強迫観念を覚えずに生きている自覚はあるが、こうも堕落した生活を送っていると流石に危機感が芽生えてくる。勉強にも手がつかず、学部時代にあった狂気のモチベーションが今ではどこにも見当たらない。院試が終わってから計算もサボり癖がついて、同期が苦労しない計算の道筋が立たない。1ヶ月前まではarXivで見繕った論文数本のイントロまで読めたのが、今ではアブストすらおぼつかない。


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