【読書記録】「出世したけりゃ会計・財務は一緒に学べ!」西山茂
読んで字のごとく会計と財務のイロハを非会計人用に詰め込んだもの。欧米では企業のエグゼクティブは財務会計の知識を須く備えているとされているが、日本では特に会計外畑出身の人間を中心にそのようなリテラシーがないことが背景にあるそう。中身としてはコーポレートファイナンスでやったことと財務会計サークルでやってることを合わせた感じなので、基本復習だった。半分が決算書の見方、4分の1がM&Aと事業投資についてで、いかに財務諸表を読みこなせるかに焦点が当てられている。
ここで特に口すっぱく言われているのが、いろんな数値は必ず業界他社と比較せよということ。莫大な資産に下支えされている鉄道会社と、あってないような設備で事業を進めるゲーム制作会社で、会計方法が同じであっても財務諸表から見えてくる企業の優劣は絶対に同じ尺度で測ることはできない。財務諸表だけでなく WACC なんかも同じ。「企業として理想的な形」は結局のところ業界最大手の形であることがほとんどだ。