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【読書記録】「蚕 絹糸を吐く虫と日本人」畑中章宏
骨太 ★★★☆☆
出典明治度★★★☆☆
論文傾向 ★★☆☆☆
民俗系の本を読むのはこれが初めてだったので、正直読み方がわかっていない。文章を眺めながら「そんなことあるんだー」と思っていると、気付かぬうちに読み終わってしまっている。ろくすっぽ内容が頭に残っておらず、賢い読書ではない。
養蚕の発祥の地と伝えられる蚕影神社が筑波山麓にあるのはもうちょい早く知りたかった。用事があって筑波に赴いた際、筑波山に登った直後に該当箇所を見つけてしまったので、地味な後悔が残り続けている。
上代より養蚕は女の仕事だったよう。関連して、天皇が米を育て皇后が養蚕をするというのは広く知られた話だが、実は皇后の養蚕の方が歴史は古いらしい。
主に東北に残る桑と蚕の発祥の言い伝えにはオシラサマという神が関わっており、並べて家の娘が馬と交わり、それに怒った父親が馬を殺すと娘が追って転生したりしなかったり。そのあとなぜか桑が光るらしい。こんなに脈絡がないのになぜ広範囲で見られる伝承なのか不思議である。