【読書記録】「日本人のためのピケティ入門」池田信夫
先に読んだマイクサヴィジ著「7つの階級 英国階級調査報告」で大量に引用されていたピケティ「21世紀の資本」の、日本人のための入門書。副題で「60分でわかる『21世紀の資本』のポイント」と銘打つように、ピケティの内容を選り抜きして短くまとめている。
この本で自分が学んだことは
・原著はデータの羅列と相関の提示であり、理論がまとまっていない
・ピケティは資本主義を成立させるために問題提起している
・英米の急進的新自由主義政策はかつての異常な所得税の揺り戻し
という3点。特に下の2つに関して、本書末尾で書かれていたことがピケティの本当の願いだったのかもしれないと予想される。
その目的は所有権を尊重して個人の権利を守ることであって、所得の再分配ではないのです。
このモチベーションを頭に置いた上で原著を読めば、ピケティを「共産主義」などと形容することはないのかもしれない。