【読書記録】「数学は最前世界の夢を見るか?」イーヴァル・エクランド
やはり話はガリレイの振り子の等時性から始まる。古代数学者は定規とコンパスで空間に関する理解を深めたが、ガリレイは常に同じ間隔を刻む振り子によって時間を計量可能にした。運動物理学の始まりはここからとされる。
光の屈折に関する研究でフェルマーの原理が登場すると、モーペルテュイがそれを力学に転用するまでが早かった。フェルマー自身は「光はなぜ最短経路を探して通るか」といった類の目的因には興味を示さなかったが、神秘的な魅力を誘う理論であることには間違いない。実際には光路長が最小となら