医学教育を学んだ1年の振り返り
「ふくみん」とは
2023年度が終わるとともに、「第9回 現場で働く医師・教員のための医学教育プログラム」を修了した。英語名の略がFCMEで、通称ふくみんと呼ばれている。
対象者は卒後6年目以上の指導経験がある医師で、医学教育の事前知識は問わない。
毎年12名が受講し、年3回の対面講義と月に2-3回のオンライン講義から成る。
責任者である錦織先生の異動に伴い2023年度からは名古屋大学が主催している。
受講に至るまで
2020年8月にうつ病を発症し休職と同時に臨床を離れた私は、2023年4月から初期研修教育に携わるはこびとなった。しかし教育と言っても総合診療専攻医として経験したものしか武器がなく、今こそ医学教育を学ぶタイミングだと思って応募した。
病院も快く後押ししてくれた(受講費を払うので、修了後1年で辞めたりしないで欲しいな〜と言われた。そりゃそうだよねと思う)。
受講にあたっては履歴書や推薦状など書類選考があったが、もう1年半も前のことなので記憶にない。選んでもらえて嬉しい〜!!がんばるぞ〜!!!くらい。
学び
とにかく医学教育は幅広いと思った。
コース内容は医学教育総論や哲学、文化人類学的にみた医学教育などといった「ぼんやり」したものから、フィードバック技法やカリキュラムデザインなど実務的なものまで多岐に渡った。
年3回×各4日の対面授業と、月2回くらいのweb授業で課題もディスカッションも多かった。
日々の仕事で教育に携わりながら課題を進めていくと、常に内省を求められる。それによって私自身について学び直すことも多かった。
まず、私自身は学習者として系統だった講義を受けながら自分で振り返り考える時間を取るスタイルが好きだが、教育者としては学習者の抱える問題や興味ありきで教育を提供したいということ。
また、思考を言語化するにあたって、構造化(何かしらの枠組みに当てはめること)を行うことが多く、リーダーよりはマネジャー気質だということ。
これらの考え方や振る舞いは、医師として働くようになってから形成されたような気がする。学生時代の私を知っているひとにぜひ当時の印象を聞きたいと思った。
出会い
私以外の受講生も幅広かった。
大学病院も市中病院も、教員も医長も部長クラスも、外科も内科もそれ以外もいた。臨床を離れている先生は私以外にもう1人いた。
コース責任者の先生がはじめに「ここでは、みなさんそれぞれが何かにおいてマイノリティであることを意識して下さい」といった旨のことを話されていて、それもあってか普段からマイノリティの私はとても過ごしやすかった。率直で自由でありながら、配慮と安心に満ちた時間であった。
医学教育は「卒前」と「卒後」に分けられていること、また医師という専門職である限り教育から完全に離れることは不可能だということを知った。
みんな何らかの形で学習者に接していて、たくさん実践してたくさん悩んでいるということが分かっただけでも参加して良かった。
これから
学校教育における講義から試験への流れと違って、私はこの一年で学んだことを脳に詰め込み、現場で吐き出すことはできない。
元々持っている「医学」「公衆衛生学」に加えて「医学教育学」という帽子を手に入れたことで、日々の業務と向き合うときに使える視点が増えたように思う。
また、このコースをきっかけに医学教育研究のメンターと出会うことができた。私のキャリアに関わる最強の出会いな気がしてならない。
来年度(もう2週間しかない、、!)はもう少し細かく刻んで、noteでも活動内容を振り返り報告する機会を増やしたいと思う。
まずは新入職者を迎えて1ヶ月のオリエン、同時に当院の内科後期研修見直し、そして8月9-10日の医学教育学会。
「ていねこ」としては作品集、すでに決まっているイベント×3、そしてグループ展。ひぇ〜〜〜
猫を愛でつつゆるくやります。
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