「角なきは、平和な生活」 こゝろの写生帖 vol.1
旅先のホテルで、朝食用に買った野菜ジュースの
パックを手にして「あ、角が無い」と気づく。
昔から思っていたけれど、面取りはとても日本
らしい技法だ。
おでんの大根。
古民家の柱。
みな、角が削がれて滑らか。
丁寧さと注意深さ。
使い手への配慮。
角(かど)を辞書で見ると、『人の性格・言動で、
一癖あって、他人との付き合いが滑らかにいかない
ようなところ』。
角がある。
角が立つ。
角が取れる。
確かに人同士の付き合いで、角があればぶつかったり
摩擦が生じやすくなる。
それを避けて周りとうまくやっていくには、自分の
尖った部分をあまり出さない方が賢明かもしれない。
それにしても、なぜ角取りではなく、面取りなのか?
せっかくツルツルした面を、なぜ取る?
こういう事を言い出すと、角が立つのでやめておこう。