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母が駆け抜けた 東京のある時代

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10年ほど連絡をしていなかった母と再会し、彼女からさまざまな話を聞き書きするnoteです
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2022年1月の記事一覧

スペイン語を勉強していたわけ

物心ついた頃、ラジオからスペイン語講座が流れていた。それが何故か、聞くのも野暮なくらい、当たり前のようにスペイン語とスペインの音楽が流れていた。 無意識のヒアリング体験を重ねたおかげで私は突然何かの拍子でスペインの地に放り込まれても何故か言葉が理解できるような気になっている。 そんな冗談はさておき、この機会に何故スペイン語にあんなにどっぷり浸かっていたのか、母に訊いてみた。 「ポルトガルの大使館で、お手伝いさんを探しているという話が高校の担任のところに来て。当時から真面目

原宿・神宮前に住んでいた頃の話

「この団地(つまり私の実家)が当たるまでは、原宿警察※の裏にあった月4000円の四畳半のアパートに住んでいたの。昭和40年代の初め頃。」 そう聞いた時、なるほどと思った。大学時代、幾度となく都バスで渋谷・原宿に通い、途中下車して散歩したり、買い物したりする中で何故か、あのあたりを歩くとフッと懐かしい感じがしたから。 明治神宮の一番北の入り口や代々木駅に程近く今は北参道の駅があるあたり。そのアパートは山手線の線路のすぐ近くだったみたいだが、今はアパレル企業の真新しいビルが建っ