2023年4月公開映画【総合・作品】ガチランキング
■概要:2023年4月は4週だけしかなかったにも関わらず、新作映画だけで31本見ることが出来た。その内訳が以下の通り。
●日本映画 11本
『放送不可能。』、『仕掛人・藤枝梅安2』、『世界の終わりから』、『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』、『妖獣奇譚 ニンジャ VS シャーク』、『ゲネプロ★7』、『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』、『ヴィレッジ』、『せかいのおきく』、『劇場版 TOKYO MER~走る緊急救命室~』、『聖闘士星矢 The Beginning』
●北米映画(アメリカのみ) 6本
『ノック 終末の訪問者』、『ザ・ホエール』、『AIR/エア』、『search/#サーチ2』、『レッド・ロケット』、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』
●ヨーロッパ映画10本(フランス4本、デンマーク1本、スペイン1本、オーストリア1本、フィンランド1本、イタリア1本、ジョージア1本)
『ダークグラス』、『ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう』、『ガール・ピクチャー』、『聖地には蜘蛛が巣を張る』、『幻滅』、『午前4時にパリの夜は明ける』、『ベニシアフレニア』、『メグレと若い女の死』、『アダマン号に乗って』、『マネーボーイズ』
●アジア映画4本(韓国3本、モンゴル1本)
『オオカミ狩り』、『見知らぬ隣人』、『高速道路家族』、『セールス・ガールの考現学』
31位:『聖闘士星矢 The Beginning』
こいつはとにかく酷かった。
星矢とかカシオスとかアテナを守る聖闘士とか
キャラクター名やアイテム名が同じでもフォルムが著しく違うし、
原作「聖闘士星矢」のあらゆる設定を破壊して再構築したけど、
ガラクタが出来た、というのが本作。
下手したらSMAPが90年代にやってた
「バンダイ スーパーミュージカル 聖闘士星矢」の方がまだ原作に寄せているだけ本作よりもマシという再評価が出来るかも。
30位:『妖獣奇譚 ニンジャ VS シャーク』
『聖闘士星矢 The Beginning』も酷かったがこいつもなかなかドイヒー。まあ、こちらは製作規模が小さいからやむを得ないという見方も出来るし、タイトルやフライヤーのまんまだからね。
29位:『ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう』
未レビュー。珍しいジョージアの映画なんだけど、通常の会話によるセリフが少なく、なぜかナレーションと音声を抜いた映像が続く。要するに橋視点だったのかな?
28位:『放送不可能。』
新宿のK'sシネマで単館上映&モーニングショーのみでの公開だったドキュメンタリー映画。田原総一朗による小泉純一郎元内閣総理大臣へのインタビューなんだけど、かなりそのまんまだった。ABEMA TV、いやユーチューブでやるような内容を映画だった。
27位:『高速道路家族』
第2の『パラサイト 半地下の家族』かと思いきや、ちょっと違った。柳の下にどじょうは2匹もいなかった。
26位:『メグレと若い女の死』
未レビュー。なんとパトリス・ルコント監督の新作だけど、なぜ今、なぜジョルジュ・シムノンのミステリー小説を映画化したのか不明。しかも、パトリス・ルコントらしさはあまりなかった。年老いたメグレ警視、いやジェラール・ドパルデューを見る映画だった。
25位:『ゲネプロ★7』
舞台劇の舞台裏映画、というかゲネプロで何かが起きる、という物語。イケメン舞台俳優の劇場映画作品というぐらいで、堤幸彦監督作品なのにピンと来なかった。
24位:『アダマン号に乗って』
未レビュー。今年のベルリン国際映画祭の金熊賞作品。フランスの船上デイケア施設を取り上げたドキュメンタリー。要はヒエラルキーなしで気ままに障害者も社会に関わる施設を映しているんだけど、ほぼその様子を映しただけなのでかなり地味なドキュメンタリー映画だった。
23位:『ダークグラス』
『サスペリア』や『フェノミナン』で知られるイタリアン・ホラーの巨匠ダリオ・アルジェント監督の久しぶりの新作。
音楽やグダグダな展開、やっぱり出演していた娘のアーシア・アルジェントなども含めてダリオ・アルジェントらしい新作だった。
22位:『見知らぬ隣人』
未レビュー。わりとそのまんまなミステリーで意外性ゼロだし、前半が致命的に面白くなかった記憶。
21位:『午前4時にパリの夜は明ける』
シャルロット・ゲンズブール主演のフランスの親子二世代の恋愛模様。アラフィフおばさんの旦那とも別れて、息子・娘もそこそこ大きくなった所からのセカンドライフみたいな感じだったかな。
シャルロット・ゲンズブール、まだまだやれます的な映画でもあった。
20位:『オオカミ狩り』
未レビュー。殺人犯数名をフィリピンから釜山に船で輸送する中で起きた惨劇。
で、なんで船にそんなの乗せてるの?というツッコミを入れたくなるが、バイオレンス描写がいいので良しとするしかない。
19位:『ノック 終末の訪問者』
『シックス・センス』や『アンブレイカブル』のM・ナイト・シャマラン監督の新作。シャマランによるトンデモ終末映画なんだけど、まあまあ。『ハプニング』あたりも本当はこういう収め方でやれば良かったのかも。
18位:『ベニシアフレニア』
アレックス・デ・ラ・イグレシア監督による観光客目線のホラー映画。って、ベネチアの地元民はこんなに不寛容なの? これイタリア国民が見て怒らないかな?B級ホラーとしてはまあまあ。
17位:『せかいのおきく』
阪本順治監督による庶民目線の時代劇なんだけど、いくらなんでも汚穢屋が出すぎで、いかにも臭そうな映画だったなー。黒木華は良かったけど、中盤以降の声が出ないという設定はいまいち生きてなかったかな。
16位:『AIR/エア』
マイケル・ジョーダンがあまり出ない「エアジョーダン」誕生秘話。マイケル・ジョーダンの母がステージママよろしくな感じで契約交渉をしてたのが印象的。「エアジョーダン」開発よりもマイケル・ジョーダンとの企業契約の話で思っていたのとは微妙に違ったかな。
15位:『幻滅』
バルザック原作の19世紀の貴族、というか19世紀のマスコミ版『バリー・リンドン』。もう少し丁寧にやってくれたら上位にいったかも。
14位:『世界のおわりから』
紀里谷和明監督作品ということで期待値は低かったけど、女子高生のマルチバースものとしてはありかな。意外にも紀里谷和明監督作品とマルチバースの相性が良かった新発見。
13位:『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』
そこそこ良かったけど、「黒ずくめの組織」と灰原哀のエピソードが多目なのでこれまでの流れを押さえていた方がより楽しめたかも。
12位:『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』
「スーパーマリオブラザーズ」の世界観を存分に楽しめるファミリー映画。顔見世興行としては上出来。
11位:『仕掛人・藤枝梅安2』
2月公開の『仕掛人・藤枝梅安』の続編。彦次郎の仇討ちと後半の展開はなかなか。
10位:『劇場版 TOKYO MER~走る緊急救命室~』
TBS「日曜劇場」ドラマの劇場版。「日曜劇場」とフジテレビの月9は劇場版の宝庫のような気がする。
9位:『東京リベンジャーズ2血のハロウィン編-運命-』
ミステリー色としては意外と良かったけど、後編へのためなのか、アクションが少なかったのは残念。
8位:『search/#サーチ2』
パソコン上のソリッド・シチュエーション・スリラー第二弾。今回は「母をたずねて0里」という仕様。コロンビアのバイトで動いたおじさんとか良かった。
7位:『ザ・ホエール』
272キロのデブ玉男の最後の数日の話にLGBTだ人種の多様性、宗教、ルッキズムなどポリコレや現代社会の問題全部盛りな映画だった。
6位:『マネーボーイズ』
台湾を舞台にした男娼の物語。『エゴイスト』に通じるものがあったかな。
5位:『ガール・ピクチャー』
フィンランド発のガーリームービーでこれまたLGBT要素と肉食女子を取り上げた新鮮な青春群像劇。フィンランド版『アメリカン・グラフィティ』、いや、『フィンランド・グラフィティ』かた。
4位:『聖地には蜘蛛が巣を張る』
後半は意外な方向にいったけど、期待どおりのエグい社会派映画だったかな。
3位:『セールスガールの考現学』
モンゴル発の異色のガーリームービー。モンゴルでの都会派アダルトグッズのお店のコメディはギャップとオフビートに満ちた新感覚だった。
2位:『ヴィレッジ』
河村光庸プロデューサーの遺作に当たる本作は、現代の日本の限界集落の伝統と産業に渦巻く村の光と闇を描いた秀作だった!
1位:『レッドロケット』
ボンクラクズ中年のギリギリな日常とドーナツ屋のJK一発逆転のロマンは極上のボンクラ映画だった!
■総評:総じて予想通りに期待値【本命】の作品がほぼ上位を独占。モンゴル映画の『セールス・ガールの考現学』やフィンランド映画の『ガール・ピクチャー』、オーストリア、フランス、台湾、ベルギー合作の台湾映画『マネーボーイズ』などミニシアターの良作、それも予想以上のクオリティーの作品が続いたかな。【本命】視していた『聖地には蜘蛛が巣を張る』や『レッド・ロケット』もミニシアター。やはりそういうことか。
そんな中で『ヴィレッジ』のみシネコン公開作品でインパクトを残せたかな。そういう意味では『ヴィレッジ』と同じ藤井道人監督が手掛ける5月公開の『最後まで行く』も楽しみである。
1位:『レッドロケット』
2位:『ヴィレッジ』
3位:『セールスガールの考現学』
4位:『聖地には蜘蛛が巣を張る』
5位:『ガール・ピクチャー』
6位:『マネーボーイズ』
7位:『ザ・ホエール』
8位:『search/#サーチ2』
9位:『東京リベンジャーズ2血のハロウィン編-運命-』
10位:『劇場版 TOKYO MER~走る緊急救命室~』
11位:『仕掛人・藤枝梅安2』
12位:『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』
13位:『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』
14位:『世界のおわりから』
15位:『幻滅』
16位:『AIR/エア』
17位:『せかいのおきく』
18位:『ベニシアフレニア』
19位:『ノック 終末の訪問者』
20位:『オオカミ狩り』
21位:『午前4時にパリの夜は明ける』
22位:『見知らぬ隣人』
23位:『ダークグラス』
24位:『アダマン号に乗って』
25位:『ゲネプロ★7』
26位:『メグレと若い女の死』
27位:『高速道路家族』
28位:『放送不可能。』
29位:『ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう』
30位:『妖獣奇譚 ニンジャ VS シャーク』
31位:『聖闘士星矢 The Beginning』