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シン映画日記『アントマン&ワスプ:クアントマニア』
シネプレックス幸手でMCU映画『アントマン』シリーズ最新作『アントマン&ワスプ:クアントマニア』を見てきた。
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『アントマン』シリーズ3作目で、フェーズ5の1作目に当たる本作はアントマンことスコット・ラングの娘キャシーが作り出した装置でホープやハンク、ジャネットと共に粒子世界に行ってしまい、スコットとキャシーの親娘とホープらの親娘で離れ離れになり、お互いに探し合いながら粒子世界から脱出を試みる。同時にマルチバースの敵でタイムトラベルで時代を行来する征服者カーンと対峙することに。
つまり、
サノスの次の大物ヴィランであるカーンの顔見世興行なんだけど、
そもそもカーンマルチバースの世界からアントマンの粒子世界に幽閉されていたこともあって力が弱っている状態。
そこからジャネットが偶然助けてしまって少し動けるようになった所で粒子世界で暴れて、という感じなので、本当はサノス並にもっと凄い力を持ったヴィランなんだろうけど、MCUの1つの作品・エピソード内のボス、つまりエリアボスみたいなスケールで描いてしまってるので、
サノス並の凄さが伝わらず、ここで期待との隔たりを感じてしまう。
加えて本作は離れ離れになった家族探しと
粒子世界という異世界からの脱出がメインとなる作品。
尚且つ、その粒子世界という異世界が『スター・ウォーズ』シリーズに出てくる異星人の惑星の街エピソード描写と
昨年公開したアニメ映画『ストレンジ・ワールド』を足して、『アントマン』風味に煮込んだ作品と解釈して楽しむ作品なので、
通常のアメコミアクション映画と展開が微妙に異なる。
このいつもと違うアメコミアクション映画を上手く補佐するのがハンク役のマイケル・ダグラスとジャネット役のミッシェル・ファイファー、
あと粒子世界のアクシアを統治するクライラー卿役のビル・マーレイなど
80年代から90年代のレトロスターの活躍でなんとか見れる作品になっている。
『アントマン』シリーズの1作としてはとりあえずまとまってはいるが、
配信ドラマの「ロキ」や今後のフェーズ5作品に繋ぐ御膳立て感が強い作品で、
ラストシーンにしろエンドロール中、エンドロール後のシーンにしこりというか有耶無耶感が残って、
その続き、次回作を見させるための作品という感触が強い。
作品としては悪くはないんだけど、
ディズニーのやり方はかなりイマイチなやり方だ。
これが昨年公開した『スパイダーマンNWH』や『ドクター・ストレンジMoM』クラスの飛び抜けた作品ならいいが、本作や『シャン・チー』クラスの作品が続いても困るんだよね。映画を見る者はそういう配信ドラマありきの映画というやり方をそろそろNoを言うべきである。